自然界の秩序、それは銀河から微生物まで、繰り返しのパターンを持つ。これらのパターンは数学的に表現することができる。1202年にイタリアの数学者、レオナルド・オブ・ピサが著書「リベル・アバチ」で初めて書き記したフィボナッチ数列、歴史上の偉大な頭脳たちが注目した黄金比、そして神聖さを象徴する円。これらを組み合わせたデザインは、自然の秩序を表現する上で欠かせない。
マイケル・ポッターによる家具「ゴッドズ・マス」は、これらの自然現象を美しく、機能的に表現した作品だ。フィボナッチの螺旋を中心に、黄金比と円を組み合わせたデザインは、見る者を引きつける。その中に浮かぶキャビネットは、見た目の美しさだけでなく、使用感も考慮されている。自然が混沌から秩序を生み出すように、この家具もまた、美と機能性を兼ね備えている。
このプロジェクトでは、溶接、木工、高度なラミネート技術が用いられた。ローズウッド、バードアイ・メイプル、ココボロの突板ラミネートを使用し、持続可能なデザインを追求した。大きさや非線形の面を持つ作品のため、カスタムフォームや創造的な突板プロセスが必要だった。
この家具は幅1219mm、奥行き508mm、高さ1981mmのサイズで、フィボナッチ数列、ミッドセンチュリーモダン、キャビネット、金属、突板、神、数学といったキーワードが与えられている。2019年11月にアメリカのサウスカロライナ州グリーンビルでプロジェクトが始まり、2020年4月に完成。現在はスタジオで保管されている。
この作品の制作にあたっては、ラミネート技術の進歩や自然界の数学的現象についての研究が行われた。特にフィボナッチの螺旋を中心に、どのように美しく機能的な作品を作り上げるかについて多くの時間を費やした。また、大きく重い作品のための突板の安定性や、外側の曲線に突板を貼る方法についても実験が行われた。
フィボナッチの螺旋を正確に表現するため、数学的要素をスケールアップし、鋼の溶接構造で表現した。螺旋自体は3つの異なる要素から成り立っている。突板を曲げてフォームに合わせ、プレスで形状を整え、木材のラミネートを彫刻する。これらの要素を組み合わせて、鋼構造体が螺旋の中に収まり、螺旋を通り抜ける形で表現されている。
「ゴッドズ・マス」は、自然界の数学的現象を美しく、機能的に表現した作品である。フィボナッチの螺旋を中心に、黄金比と円を組み合わせたデザインは、見る者を引きつける。その中に浮かぶキャビネットは、見た目の美しさだけでなく、使用感も考慮されている。自然が混沌から秩序を生み出すように、この家具もまた、美と機能性を兼ね備えている。その優れたデザインは、2021年のA' Furniture Design Awardで鉄賞を受賞した。
プロジェクトデザイナー: Michael Potter
画像クレジット: All images credited/edited by Seth Hunt, EP+Co
プロジェクトチームのメンバー: Michael Potter
プロジェクト名: God's Math
プロジェクトのクライアント: Michael Potter