光の再構築:光のインスタレーションアート「ライトフレークス」

岡津裕司による独自のレンズアートが企業のビジョンを体現

岡津裕司がデザインした「ライトフレークス」は、光を再構築するというコンセプトのもと、53,900個の細かいレンズを組み合わせて大きな光学スクリーンを作り出すことで、企業のステートメント「ミニチュアテクノロジー、無限の世界」を具現化しています。

「ライトフレークス」は、2017年のミラノサローネ・サテライトで初めて発表され、以来、様々なプロジェクトとのコラボレーションを通じて発展してきました。岡津裕司は、光を再構築するというコンセプトを基に、あらゆる大きさや形の光のオブジェクトを作り出すことが可能な繊細なレンズ部品を用いています。

このインスタレーションは、日本の精密部品製造企業であるスターマイクロニクスの本社エントランスに設置されています。同社の企業ステートメント「ミニチュアテクノロジー、無限の世界」を体現するため、53,900個のレンズを精密に組み合わせて大きな光学スクリーンを作り出しました。これにより、企業のビジョンとアート作品の特性を融合させ、それを具現化することでエントランスの価値を高めています。

レンズは直径40mm、厚さ0.3mmで、精密に仕上げられたレンズ同士を組み合わせることが可能です。レンズの素材には、リサイクル可能で、光の反射と透明性に優れ、レーザーカッティングによる微細な加工が可能で、環境負荷の低いPETが選ばれました。このインスタレーションは、53,900個のレンズを精密に組み合わせて構築されており、その軽さによりオブジェクトが揺れ動き、光の輝きを引き立てます。

このプロジェクトは2019年6月に始まり、設計と製作期間を経て2020年2月に完成しました。自然光がガラスのファサードから差し込む企業本社のエントランスは、壁面に映像が投影される光がある空間です。この空間で光を再構築するというコンセプトのアート作品と企業のステートメントを融合させ、それを光学的なオブジェクトとして形にすることで、エントランスで唯一無二のシーンと体験を創り出しています。

岡津裕司は、建築的な思考からアートを提示しています。「ライトフレークス」のシリーズをアートのコンセプトと詳細を保ちながら発展させ、各プロジェクトに応じたテーマ、形、サイズのオブジェクトを考えています。この柔軟なシステムを持つアートは、プロジェクトに求められる条件との融合を通じて、両者の価値を高め、可能性を探求し続けています。

このデザインは、2021年のA'ファインアートとアートインスタレーションデザインアワードでアイアン賞を受賞しました。アイアンA'デザインアワードは、プロフェッショナルで産業的な要件を満たし、業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合した、実用的で革新的な創造物に授与されます。それらは満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yuji Okitsu
画像クレジット: Image #1: Photographer Tomoko Yamane, Variations, 2020 Optional Image #1: Photographer Tomoko Yamane, 2020 Optional Image #2: Photographer YUJI OKITSU, 2020 Optional Image #3: Photographer Tomoko Yamane, 2020 Optional Image #4: Photographer Tomoko Yamane, 2020
プロジェクトチームのメンバー: Associate : Eri Yamazaki Produce : MURAYAMA Inc.
プロジェクト名: Lightflakes For StarMicronics
プロジェクトのクライアント: Yuji Okitsu


Lightflakes For StarMicronics IMG #2
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Lightflakes For StarMicronics IMG #4
Lightflakes For StarMicronics IMG #5
Lightflakes For StarMicronics IMG #5

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