自然と共に息づくレストラン：Lago Bistro

伝統と現代が融合した空間創造

台湾の新竹に位置する中華大学内にある「Lago Bistro」は、100年の歴史を持つ伝統的な建物「三合院」をリノベーションしたレストランである。デザイナーのMingLing Yang、HungNien Hsieh、Ema Hsiehにより、自然と調和した空間が創り出されている。

このプロジェクトの特徴は、既存の建物の透明感を活かし、自然の風景を内部に取り込んでいることだ。ガラス張りのファサードは、外部の緑を映し出し、空間を広げる役割を果たしている。また、風水の考え方を取り入れ、前に水（鏡）を、後ろに山（スクリーン）を配置することで、繁栄を象徴している。

リノベーションは、中華大学の建築と景観学部の教師と学生が中心となり、各学部のリソースを統合して行われた。その結果、教育施設、研究施設、企業など、多様な思考と知識が融合した空間が生まれた。

「Lago Bistro」の内部は、主要なホールと左右のウィングで構成されている。主ホールにはダイニングテーブルが配置され、左側にはバー、右側にはソファのサロンエリアがある。左ウィングにはキッチンが、右ウィングにはグループミーティングやダイニングに利用できるスペースが設けられている。

このリノベーションプロジェクトの最大の課題は、100年の歴史を持つ既存の建物の構造を保つことだった。しかし、デザイナーチームは、その形状と構造を維持しつつ、機能性と美学を兼ね備えたインテリアデザインを通じて、新たな生命を吹き込むことに成功した。

「Lago Bistro」は、過去と現在、自然と建築が融合した空間として、多くの人々に愛されている。その成果は、2021年のA' Interior Space, Retail and Exhibition Design AwardでIron賞を受賞するなど、多くの評価を受けている。