デジタル時代のデスク:Consentable WT Ao

高橋啓治の革新的なPCワークデスク

デジタルデバイスと共に生活スタイルが変化している現代。しかし、デスクのデザインは変わらないままで、PCや各種デバイスの充電器を置くと、ホコリまみれの配線でデスクが溢れてしまう。そんな不快な体験を改善したいと考え、特に在宅勤務が一般的な時代において、自宅のワークデスクも洗練されるべきだと考え、家庭用PCユーザーのデスクでの体験を向上させることを目指して設計された。

Consentable WT Aoは、騒々しい配線やデバイスを隠すための各種収納スペースを備えたPC用ワークデスクである。騒々しいアイテムをシンプルな形に隠すことで、PCユーザーに落ち着いた作業体験を実現する。また、静かな海面を思わせる木目の天板を使用している。

このデスクは、日本の伝統的な藍染め技術を用いて染められた木材で作られている。木材に藍色を発色させるためには、3回以上の手染め作業が必要となる。その後、木目は光沢のある藍色の静かな海面のようなテクスチャに変化する。

デスクのサイズは幅1150mm x 奥行き600mm x 高さ700mmで、脚部はブラックチェリーの無垢材、天板はブラックチェリーの合板を使用している。どちらも藍染め仕上げとなっている。

このデスクの設計には、配線とデバイスをシンプルな形に収めるための最大の努力が払われている。例えば、天板の裏側の配線スペースは、PCアダプタなど様々なアウトレットに接続されたOAタップに適合するW1050mm D100mm H750mmのサイズとなっている。OAタップのコードは、脚部の溝に埋め込むことができる。デバイススペースについては、デバイスを収納するだけでなく、配線スペースを通じてPCに接続することも可能である。このデスクは、配線がないかのようにシンプルに設計されている。

我々の挑戦は、自宅のデスクでのPCユーザーの体験を向上させることである。我々は、騒々しい配線やデバイスを隠すための様々な小さな収納スペースをこのデスクに設計した。また、藍染め仕上げで木目を静かな海面に似せることで、自宅のPCユーザーにデスクでの落ち着いた体験を提供しようと試みた。

このデザインは、2021年にA' Furniture Design Awardのブロンズ賞を受賞している。ブロンズA' Design Awardは、経験と創造力を証明する優れたクリエイティブなデザインに授与される。芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、強力な技術的および創造的なスキルを発揮し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることを評価されている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Takusei Kajitani
画像クレジット: Image #1-5: Photographer Katsuhiko Abe, Variations, 2020.
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Yoh Miyachi Craftsman: Ryosuke Tanaka
プロジェクト名: Consentable WT Ao
プロジェクトのクライアント: Takusei Kajitani


Consentable WT Ao IMG #2
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Consentable WT Ao IMG #5
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