光と風を感じる住空間:ギャップハウス

松尾道大が描く新たな住まいの形

南側の中庭のボリュームを確保し、リビング空間に光と視覚的な広がりをもたらすことを求められた設計者の松尾道大。その結果生まれたのが、シンプルでありながら深遠な住まい、ギャップハウスである。

ギャップハウスは、敷地の形状により建物の向きが制限されがちな中、太陽の角度を考慮し、さらに高さを変えながら建物を立体的に交差させることで、三次元的な対角線の効果を得た。外観はシンプルで深遠だが、中庭の光を楽しむために、南側に突出した空間はできるだけ光を受け入れるように角度がつけられている。

内部空間では、各層の角度と高さを異ならせることで、三次元的な対角線が描かれる。この外部からは想像できない角度と高さが、空間に深みと変化を与え、住人に新たな距離感を保つコミュニケーションを生み出す。

建物の断熱性能と耐久性能を考慮し、日本で主に採用されている木造構造が採用された。複雑で大胆な空間構成は、建物の強度を不安にさせるが、大断面の集成材と金属継手を使用し、構造解析を行い、しっかりと安全に建設されている。

また、地震が多い日本では、構造は非常に重要で、最大限の配慮がされている。日本の木造構造では、壁が証明応力となるため大きな開口部を設けることが難しいが、精密な構造解析を行うことで、木造構造でも大空間と大開口部を設計することが可能となる。

このプロジェクトは、2021年3月に兵庫県で完成した。大きな連続空間に角度と高さが変化することで、部屋のボリュームが大きく、エネルギー消費のロスが考えられる。しかし、外皮性能と断熱性能を向上させ、日光を利用し、高性能なエアコンを使用することで、ゼロエネルギーハウスとして解決できるかどうかをデータ収集する。

さらに、第三者を定期的に訪問して、その経験を探求する。密集地域を計画しても、再生可能エネルギーの確保と住宅の開放性と性能の向上については、住民のプライバシーを確保することが重要である。木造構造に求められる低炭素需要を満たし、さらに高い開放性を持つデザインを創造する。

そして、頻繁に大地震が発生する日本では、強度を確保しながら優れたデザインを創造することは大きな挑戦である。しかし、その結果として生まれたギャップハウスは、シンプルで整然としたファサードからは想像できない内部空間を持つ建築物であり、未来の住人に新たな距離感とコミュニケーションを生み出す。

このデザインは、2021年にA'アーキテクチャ、ビルディング、ストラクチャデザイン賞でシルバーを受賞した。シルバーA'デザイン賞は、最高の技術特性と素晴らしい芸術的技巧を示し、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、ワンダーを紹介する、トップオブザライン、クリエイティブで、専門的に注目すべきデザインに授与される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Michihiro Matsuo
画像クレジット: Michihiro Matsuo: METAPH ARCHITECT ASSOCIATES
プロジェクトチームのメンバー: Construction company: Advance Architects,inc
プロジェクト名: Gap
プロジェクトのクライアント: Michihiro Matsuo


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