持続可能な鹿革で紡ぐ、伝統と革新のストール

日本の金箔技術を纏う、新感覚ディアメッシュストール

ファッションとサステナビリティの融合を目指し、新たな挑戦として生まれたディアメッシュストール。西野康平デザイナーの手により、日本の伝統工芸と現代のデザインが息づくアイテムが誕生しました。ニュージーランドの鹿肉生産者から調達される持続可能な鹿革を使用し、日本の象徴である金箔を施すことで、伝統とラグジュアリーを表現しています。

このストールは、二重のメッシュデザインが特徴で、極薄の鹿革二層に伝統的な日本の金箔を施した初の試みです。メッシュデザインにより、軽やかで柔軟、快適な着心地を実現。従来の革製ストールが持つ重さや暑苦しさを覆し、繊細な革とメッシュデザインがその印象を一新します。

また、このストールは、金沢の伝統的な方法で金箔が施された豪華なバージョンも用意されています。金箔は京都の金閣寺にも使用された技術で、無形文化財にも指定されています。鹿革は水に浸しても蒸れにくく、使い込むほどに柔らかくなり、美しくドレープするように進化していきます。

製造プロセスでは、ニュージーランドの鹿肉生産の副産物として得られる高品質で傷の少ない鹿革を使用。無駄を避けるため、一枚の革をシームレスに加工し、自然な質感を保つために表面処理を施さずに染色しています。0.3mmに薄くした革を二枚貼り合わせ、強度を保ちつつも柔らかさと通気性を損なわないようにしています。

金箔は、金沢が日本で最も有名な産地であり、伝統的な技術を用いて1/10,000ミリメートルの厚さにまで薄くされています。金箔工房は江戸時代末期に金沢で始まり、現在も職人たちがその伝統を守り続けています。

デザイナーの西野康平と白山学の協力により、伸縮性に富み、使い込むほどに肌に馴染む革製ストールが完成しました。2015年に日本でプロジェクトが開始され、2020年に完成。サステナブルな素材を用いた衣服の開発を目指した研究と、軽さと耐久性を追求した技術的な挑戦を経て、このデザインは「アイアンA'ファッション・トラベルアクセサリーデザイン賞」を2022年に受賞しました。

独自の美しさと機能性を兼ね備えたディアメッシュストールは、持続可能なファッションの新たな地平を切り開くアイテムとして、これからの時代に寄り添う逸品です。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: KOHEI NISHINO
画像クレジット: KOHEI NISHINO
プロジェクトチームのメンバー: KOHEI NISHINO MANABU SHIRAYAMA
プロジェクト名: Deer Mesh
プロジェクトのクライアント: SIXELEVENONE


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