ヤン・ニ・トンのバルコニーには、様々な花や植物が生い茂っています。その中でも彼女が最も愛してやまないのが、マレーシアの暑く湿気た気候に適しているオーキッドの花。ある日、彼女は庭を眺めながら、咲き誇るパープルのオーキッドを手に取り、その花びらや茎、色、模様をじっくりと観察しました。そして、そのクリエイティビティと革新性をジュエリーに表現したいという思いから、「パープル・オーキッド」のデザインが生まれました。
このリングは、オーキッドの花をイメージしたデザインが特徴的です。アメジストを用いた花びらの形状は様々で、サイズ調整が可能な点もユニークです。また、アメジストの他にも、中央にはパールが配され、さらに小さな蝶が描かれた別のパールも存在します。これにより、指にはめると、まるで花とつぼみが2本の指の間に浮かんでいるかのような印象を与えます。
このリングは、ロジウムメッキのスターリングシルバーで手作業で製作されています。アメジストとパールは、マーキスカット、オーバルカット、エメラルドカット、ラウンドカットなど、さまざまなカットが施されています。その重量は6.99g、リングサイズはUS 5、幅は31mm、長さは29mmとなっています。
このプロジェクトの鍵となるのは、サイズ調整機能です。サイズ要素だけでなく、金属の厚みや実用性も考慮されています。プロジェクトは2019年4月に開始され、同年7月に完成しました。デザインの過程で、さまざまな種類のパープルオーキッドの研究が行われ、パターンや色について深く学びました。
創造的な課題としては、花びらに異なる形状の石を組み合わせること、そしてリングのサイズとデザインをバランス良く表現することが挙げられます。しかし、これらの課題を乗り越えた結果、生まれたのがこの「パープル・オーキッド」です。全体的にみて、デザインは爽やかで活気に満ち、色彩の組み合わせはパープルとオフホワイトのコントラストが魅力的です。
このデザインは、2022年にA' Jewelry, Eyewear and Watch Design Awardでアイアン賞を受賞しました。この賞は、プロフェッショナルな要件を満たし、産業のベストプラクティスと優れた技術特性を統合した、実用的で革新的な創造物に授与されます。それらは満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献します。
プロジェクトデザイナー: Teong Yan Ni
画像クレジット: Teong Yan Ni
プロジェクトチームのメンバー: Teong Yan Ni
プロジェクト名: Purple Orchid
プロジェクトのクライアント: Juwelen Design