風の美学とテクノロジーが融合した風力タービン「Fennec」

Maxim Kuzinによる都市空間での利用を可能にする革新的なデザイン

風力タービン「Fennec」は、都市空間でも使用可能な低騒音、高安全性、長寿命の特性を持つ革新的なデザインです。そのユニークなハイパーボロイド型ローターは、美学とテクノロジーの融合を体現しています。

ロシアの有名なエンジニア、ヴラディミール・シューホフのほぼ無重量のハイパーボロイド型シェルは、静止した塔であっても壮観です。これを回転させると、魔法のような運動彫刻に変わります。デザイナーのMaxim Kuzinは、アート、機械、建築の完璧な融合を目指してこのデザインを生み出しました。

「Fennec」の特異な特性は、そのユニークなハイパーボロイド型ローターにあります。このローターは60rpmで動作し、ブレードの最大直線速度は26km/h以下です。これにより、騒音や振動、運動による危険性が最小限に抑えられ、都市部や屋上での使用が可能になります。

この風力タービンは、アルミニウムのシートとパイプのウォータージェットカット、接着、鋼のCNCミーリングといった技術を用いて製造されています。その結果、Sサイズのタービンは自律的なエネルギー発生器として、他のデバイスの電源供給に使用されます。一方、XSサイズのタービンは、視覚的に魅力的でインタラクションが可能なキネティックアートオブジェクトとして機能し、スマートフォンのアプリを使って色を変えたり、音楽や他のデータストリームに合わせて動作させることができます。

このプロジェクトは2016年にモスクワで始まり、初のプロトタイプはモスクワとバクーで展示されました。2018年にはSTARTS Prizeの名誉賞を受賞し、2020年には教育・メンタリングプログラム「STARTS in Motion」から支援を受けました。現在、この技術を基にした製品の初のシリーズが開発中です。

「Fennec」は、2022年のA'エネルギー製品、プロジェクト、デバイスデザイン賞でブロンズを受賞しています。この賞は、芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、強力な技術力と創造力を発揮し、生活の質の向上に貢献し、より良い世界を創造する優れたデザインに授与されます。

このように、「Fennec」は、風の力を利用したエネルギー供給と、美学とテクノロジーの融合を追求した結果生まれた製品です。都市空間での利用を可能にするこの風力タービンは、持続可能なエネルギー供給の新たな可能性を示しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Maxim Kuzin
画像クレジット: Maxim Kuzin
プロジェクトチームのメンバー: Maxim Kuzin Alexey Savchuk Dmitriy Kulakov
プロジェクト名: Fennec
プロジェクトのクライアント: Maxim Kuzin


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