「Blanc」:木と建築コンクリートが織りなす日本風ミニマリストの住空間

デザイナーYu-Chen Linが創り出す、自然素材と光の調和

木目と格子を用いた新鮮な空間感、建築コンクリートによる視覚効果の強調、そして白、グレー、ブラウンの色彩が織りなす明るさ。これら全てが組み合わさり、デザイナーYu-Chen Linが手掛けた住宅プロジェクト「Blanc」のテーマを体現しています。

「Blanc」は、自然素材を用いて新鮮でエレガントな雰囲気を創り出すことに重点を置いています。白、建築コンクリート、木目を組み合わせ、日本のミニマリストスタイルの空間を創出しています。また、リビングルームとダイニングルームの間の通路にはスライディングドアを設け、光を通す素材によりダイニングエリアとキッチンエリアの照明を増加させ、スライディングドアを閉じることでリビングルームとダイニングルームを別々の空間とし、料理の油臭さを遮断する工夫がなされています。

このプロジェクトでは、木製の格子、超耐久性のある木製フローリング、日本から輸入した高解像度プリントボード、建築コンクリートのコーティング、ガラス、鉄部品、システムボードなどの素材が使用されています。特に、木製の格子と建築コンクリートの組み合わせは、日本の住宅の雰囲気を醸し出しています。異なる色温度が建築コンクリートに反射すると、清潔で新鮮な感じを明らかにし、暖かい光が心地よさをもたらします。

このプロジェクトは、新築の家で、広さは122平方メートル。1階にはリビング、ダイニング、キッチンの公共エリア、2階には主寝室、3階にはダブルベッドルームがあります。若い夫婦と幼児のための家で、全体の色調は明るく、公共エリアはブラウン、白、グレーを基調に日本風を表現しています。プライベートエリアの主寝室も同じ要素を持ちつつ、より暖かいオレンジ色のトーンが加えられています。

公共エリアのソファーの背後の壁は建築コンクリートで、トラックライトがリビングルームに質感のあるトーンを与えています。また、右側の木製格子デザインが空間に暖かさをもたらしています。同時に、ダイニングルームとキッチンルームの間の通路にあるガラス製のスライディングドアは、二つのエリアの機能を区別しながらも、光と通行を遮ることなく、プライベートエリアでは、木目のフローリングが全体を覆っています。さらに、柱間の断片的な空間を利用して本棚を作り、エリアに知的な雰囲気を加えています。

元々ダイニングルームとキッチンは一体化しており、キッチンのL字型の設備は小さく視覚的な区分を作っていました。そこでデザインチームはキッチンの設備を拡大・延長し、キャビネットが抱擁するような形状にし、クライアントの家族が食事を楽しむ際に暖かな雰囲気を味わえるようにしました。

暖かい黄色の光が灯り、リビングルームはミニマリストデザインになっています。テレビの壁はシステムパネルと格子でデザインされ、キャビネットは浮かせて軽やかさを演出しています。また、ソファーの背後の壁はシンプルだがエレガントで、手彫りの溝がディテールとなっています。グレーのカラーブロックが空間に新鮮な日本風の感じを与え、美しさを引き立てています。

このデザインは2023年にA' Interior Space, Retail and Exhibition Design Awardで鉄賞を受賞しました。鉄賞は、プロフェッショナルで産業的な要件を満たすよう設計され、実用的で革新的な創造物に授与されます。業界のベストプラクティスと適切な技術特性を統合し、満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献することが評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yu-Chen Lin
画像クレジット: IDBC Interior Design
プロジェクトチームのメンバー: Yu-Chen Lin
プロジェクト名: Blanc
プロジェクトのクライアント: IDBC Interior Design


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