時間の痕跡を保存するデザイン：「Sunmoon」

伝統と現代が融合したティーショップの空間デザイン

デザイナーのYu-Ting Chenが手掛けた「Sunmoon」は、伝統的な建築素材と現代的な要素を融合させたティーショップのデザインです。このデザインは、時間の経過と共に生じる自然な変化を大切にし、古い建物の一部を保存しながら新しい空間を創り出しました。

このプロジェクトでは、錆びた鉄、無垢の木、コンクリートの床などの素朴でシンプルな素材が使用されています。これらの素材は、時間の経過とともに生じる自然な変化を強調し、既存の建物の一部を保存するために選ばれました。

特に、70年の歴史を持つ土壁のレンガは、このプロジェクトで保存された主要な建築素材であり、バーカウンターの外観デザインにも使用されました。また、カウンタートップには無垢の木を使用し、空間全体に温かみを与えています。

店内の植物が置かれている無垢の木製のハンドルは、店が開いているかどうかを表すためのデザインです。また、建物の構造が古く弱かったため、2つの倉庫の壁に穴を掘る際にはHビームを使用して構造を補強しました。

このプロジェクトは、2018年5月に始まり、2019年8月に台湾の南投県で完成しました。店内の面積は45平方メートル、屋外のスペースは24平方メートルで、バーエリア、座席エリア、販売エリア、トイレが設けられています。

「Sunmoon」は、伝統的な建築素材を基に、地元の茶文化を取り入れたデザインが評価され、2023年にA' Interior Space, Retail and Exhibition Design Awardでブロンズ賞を受賞しました。

このデザインは、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを取り入れ、高い技術力と創造力を持つデザインとして認められています。また、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にするという評価も受けています。