地域連携を育む「マルシェ・ヴィゾン」

自然と調和するデザインで地域産業を促進

雨と太陽が育む豊かな収穫を象徴する屋根が、新しい地域コラボレーションの場を創出します。

三重県多気町に位置する「マルシェ・ヴィゾン」は、食を通じた地域連携を深めるプラットフォームとして、2021年にオープンしました。伊勢神宮の近くにある赤尾弥代(あかおやしろ)神社の鳥居にインスパイアされた繰り返される構造が、豊かな収穫や繁栄を祈る象徴として機能しています。この施設は、伝統的な農産物市場を超え、地域革新を刺激するダイニングイベントを促進することを目的としています。

建物は四つのウィングに分かれていますが、階段状のスラブは斜面で繋がれ、木製フレームのピッチは統一された空間を保つために連続して整列されています。建物前の丘から大きな屋根へと続く連続した形状が、視線を上方へと誘い、広がりのある風景を創出します。大屋根の下には、迷路のような通路や広場を生み出す、いくつかの小さなボリュームが配置されています。

この施設の特徴的な屋根は、天と地を繋ぐ象徴として、ビジネスのダイナミズムと自然の静けさが調和する魅力的なランドスケープを創造することを目指しています。屋根の下の開放空間は、現代の小売業でしばしば見過ごされがちな季節の変化と再接続する場を提供し、シンプルなアプローチによりエネルギー消費を削減し、環境への配慮を示しています。

商業は常に進化しており、そのデザインを長期間にわたってコントロールすることはほぼ不可能です。そのため、私たちは商業のタイムラインを景観とは別のものとして捉えることを選びました。大きな屋根と小さな小売ボックスの二つの異なる層を作ることで、ゆっくりと変化する景観と、常に新鮮さを保つために必要な商業のダイナミズムとのバランスを目指しています。

商業的な実現可能性とサイト固有の「ジーニアス・ロキ」を保存することの間でバランスを取ることは、このデザインにおける最大の課題でした。地域産業の促進と持続可能な繁栄を確実にしながら、自然環境とシームレスに統合するランドスケープを創造することを目指しました。自然環境の取り込みには、自然な美しさを損なう可能性のある看板や照明などの考慮が必要であり、強力なビジョンと鋭い注意力が求められました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Tomoya Akasaka
画像クレジット: Image #1: Photographer ToLoLo Studio, Variations, 2021. Image #2: Photographer ToLoLo Studio, Variations, 2021. Image #3: Photographer ToLoLo Studio, Variations, 2021. Image #4: Photographer ToLoLo Studio, Variations, 2021. Image #5: Photographer ToLoLo Studio, Variations, 2021.
プロジェクトチームのメンバー: Tomoya Akasaka
プロジェクト名: MRC Vison
プロジェクトのクライアント: Orga-Lab


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MRC Vison IMG #5
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