革新的な折りたたみ椅子「ヴェルガ」、空間を彩る

ロドリゴ・ベルリムによる洗練された機能美

狭い空間に最適な家具を求める現代において、機能性と美学を兼ね備えた折りたたみ椅子「ヴェルガ」が誕生しました。デザイナー、ロドリゴ・ベルリムによるこのプロジェクトは、シンプルでありながら洗練されたデザインが特徴です。

「ヴェルガ」は、小さなアパートや限られたスペースを有効に活用したいというニーズからインスピレーションを得ています。ダイニングやオフィス用としても快適に使用できるこの椅子は、木材を使用したエレガントでミニマリストな美学を提供します。

この椅子のユニークな特徴は、シンプルでクリーンなデザインにあります。シダー材と生分解性PLAプラスチックを使用し、座面を回転させて脚を閉じるだけで収納可能です。従来の折りたたみ椅子とは一線を画す、その強度と独自性が際立っています。

製造技術においても、シダー材の脚と背もたれはCNCマシンを用いて切り出され、座面は手作業でカットされます。座面と背もたれには手作業で凹みをつけ、手作りの温もりを感じさせる仕上がりに。軸やロックの部品は、生分解性PLAプラスチックフィラメントを用いた3Dプリンターで製造されます。

「ヴェルガ」の仕様は、開いた状態での高さ77cm、幅47cm、奥行き56cm、閉じた状態での高さ97cm、幅47cm、奥行き12cmとなっており、シダー材をメイン素材としています。

市場に出回る多くの折りたたみ椅子は、実用性のみを重視した直線的なデザインが主流です。しかし「ヴェルガ」は、快適さとエレガンスを兼ね備えた洗練された環境に適したものを目指しました。プロジェクトの最大の挑戦は、使いやすさを損なわずに超シンプルなものを作り出すことでした。後脚の回転軸の開発は、シンプルさのコンセプトに沿ってカスタマイズされたシステムであり、座面を使用して脚のロックシステムを開発することが求められました。

2023年4月にプロジェクトの開発が始まり、座面と背もたれの角度を調整する必要がある最初のプロトタイプが作成されました。第二のプロトタイプで角度が確認され、部品の開発に取り組むことができました。最終バージョンの椅子は2023年8月に完成し、プラスチック部品のテストが行われました。

このデザインは、2024年のA'ファニチャーデザインアワードでブロンズを受賞しました。ブロンズA'デザインアワードは、経験と創造力を証明する優れたデザインに授与され、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込んだ作品で、強い技術力と創造力を示し、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にしています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Rodrigo Berlim
画像クレジット: Photographer: Alexandre Zelinsky
プロジェクトチームのメンバー: RODRIGO BERLIM
プロジェクト名: Velga
プロジェクトのクライアント: Lab Holz


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