伝統と現代が融合するオリエンタル寺院の革新建築

タン王朝美学と現代技術が生み出す精神的空間

マレーシア・セランゴールに誕生した「オリエンタル寺院」は、伝統と現代性を巧みに融合させた建築作品です。Sw ChewとKm Chewが率いるデザインチームは、歴史的なタン王朝建築の壮麗さと、現代の気候対応技術を組み合わせ、訪れる人々に新たな精神的体験を提供しています。

この寺院の外観は、タン王朝の建築様式から着想を得ており、壮大なスケールと精緻な木彫パネルが特徴です。パネルには中国の花模様が刻まれ、自然との調和や知恵を象徴しています。鏡面仕上げの装飾は、空間に奥行きと静謐さをもたらし、伝統的な美意識と現代的な洗練を両立させています。

内部に足を踏み入れると、高さ28メートルのドームの下に鎮座する仏像が目を引きます。この仏像は、地と天のつながりを象徴し、訪問者に精神的な高揚と内省の場を提供します。ダリアや蓮の花をモチーフにした装飾が随所に施されており、細部にまでこだわったデザインが空間全体に調和をもたらしています。

建築技術面では、マレーシアの高温多湿な気候に対応するため、鉄筋コンクリートと組積造の壁を採用。耐震性を確保しつつ、急勾配の屋根と粘土瓦で豪雨にも対応しています。自然換気を最大限に活かす設計で、丘の上に位置することで海風を取り込み、快適な環境を実現しています。

この寺院は、祈りの場としてだけでなく、文化的なアーティファクトの展示や瞑想ガーデン、教育プログラム、コミュニティイベントの開催など、多様な活動の拠点となっています。訪問者はガイドツアーや体験型プログラムを通じて、歴史と現代性が交差する空間で精神的な成長と文化的な豊かさを体感できます。

設計にあたっては、伝統的な木造技術を現代の建築基準に適合させるという課題に直面しました。デザインチームは、伝統的な意匠とプロポーションを維持しつつ、コンクリート構造へと巧みに転換することで、歴史的価値と現代的な安全性を両立させています。

「オリエンタル寺院」は、2025年にA' Design Awardのブロンズ賞を受賞。芸術性、技術力、社会的貢献が高く評価され、現代における文化と精神性の新たな拠点として注目を集めています。伝統と革新の架け橋となるこの空間は、今後も多くの人々にインスピレーションを与え続けるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Pcc Design
画像クレジット: All image credited by PCC Design Sdn. Bhd
プロジェクトチームのメンバー: Creative director: SW Chew, KM Chew Design Assistant: CWei Lee, Steve Chew
プロジェクト名: Oriental Pavilion
プロジェクトのクライアント: PCC Sdn. Bhd


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