「ギビングツリー」:癒しの森を模した小児科クリニック

田中裕介による、感染症対策を考慮した革新的な設計

人々が不調を感じた時に元気づけられ、癒される森のような空間をコンセプトにデザインされた「ギビングツリー」。特に待合室は、木のオブジェや庭の木々を眺める大きな窓があり、温かく迎え入れてくれます。

この小児科クリニックは、感染症の拡散を防ぐため、通常の患者用と感染症患者用の2つの別々の入口が設けられています。さらに、それぞれの患者タイプに合わせたトイレも完備されており、感染症対策が徹底されています。待合室からアクセスできる木製のデッキは、退屈した子どもたちの遊び場としても機能します。

壁にはストー塗装、レーザーカットアウトパネル、オープンワークのレンガ壁など、様々な技術が用いられており、木造構造が採用されています。敷地面積は993.98平方メートル、延べ床面積は234.98平方メートルに及びます。

このクリニックは、子供向けのアメニティが充実しており、おむつ交換ステーションや授乳室も完備。壁紙のパターンが部屋をつなぎ、木々や山々のイメージを呼び起こします。診察室には丸みを帯びた天井があり、自然光が差し込むことで、木々の間から日光が差し込むような穏やかな環境を作り出しています。

快適な待合室を作るため、窓のサイズや軒の長さを分析し、光がどのように入るかをモデルで決定しました。また、壁や床の柔らかい素材の使用や、家具から鋭い角を取り除くことで、安全性も考慮されています。子供たちを念頭に置いたデザインで、内装の調和にも細心の注意を払い、最終的なディテールを決定する際には多くの色見本が用意されました。

スタッフの動線を簡素化するために、診察室を建物の中心に配置しました。待合室には南向きの大きな窓があり、たくさんの光を取り入れますが、夏には室内を暑くすることも。軒を長くすることで、一年中快適な空間を実現しました。庭は囲われているため、人々は待合室から自由に庭に出ることができます。

この作品は、鳥取県米子市に位置しています。象徴的な大きな木が、森のような空間を作り出しています。待合室は、子供たちだけでなく、親や他の人々にとってもリラックスできる空間となっています。特に待合室のインテリアは、木製のオブジェと庭の木々を見ることができる大きな窓があり、温かく、爽やかな雰囲気を醸し出しています。

写真家の野上仙一郎によるビジュアルコンテンツの著作権は保護されています。

このデザインは、2024年のA'インテリアスペース、リテールおよびエキシビションデザインアワードでブロンズを受賞しました。ブロンズA'デザインアワードは、経験と創造性を証明する優れたデザインに授与されます。芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを取り入れ、強い技術力と創造力を持ち、生活の質の向上に貢献し、世界をより良い場所にすることが評価されています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yusuke Tanaka
画像クレジット: Photographer Senichiro Nogami
プロジェクトチームのメンバー: Yusuke Tanaka
プロジェクト名: The Giving Tree
プロジェクトのクライアント: RIS1NGアーキテクツになる


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