積み重ねられた箱の家、和の風合いを宿す

泉隆司のデザインが創り出す、プライバシーと開放感の調和

岡山県倉敷市に佇む「The Stacked」は、箱を積み重ねたような外観が特徴の住宅です。隣接する敷地との境界を巧みに利用し、中庭を生活空間に一体化させることで、プライバシーを保ちつつ開放的な空間を実現しています。内部では、開かれたリビングと和室が調和し、居心地の良い空間を創出しています。

この住宅は、泉隆司によってデザインされ、2021年に完成しました。敷地面積は231.41平方メートル、建築面積は165.69平方メートルで、木造構造を採用しています。デザインのインスピレーションは、居住性だけでなくデザインの面でも魅力的な住宅風景を創出することにありました。独特の形状は、敷地の形状と内部空間、そして住宅地に新たなアクセントを加えるユニークな外観に重点を置いて構築されています。

「The Stacked」の最大の特徴は、その外観が積み重ねられた箱のように見えることです。隣接する敷地との境界が非常に近いため、リビングスペースとリビングルームを統合して中庭を作り出し、開放感を持たせながらプライバシーを確保しています。内部は、開放的なリビングルームと和室が調和し、日本人が心地よく感じる空間デザインが施されています。

技術的には、完全自動の空調システムや高気密・高断熱性を備えており、日本の四季に対応したエコロジカルなデザインが追求されています。プライバシーを保ちつつ、家族が快適に暮らせるよう、リビングルームと中庭のプライバシーを保つための壁の高さと深さを何度もテストしました。

設計にあたっては、家族がお互いを常に見ることができる間取りを作りつつ、プライバシーを提供することを目指しました。敷地の調査と、人の流れや光の入り方について綿密に研究しました。また、隣接する建物との境界が非常に近いため、プライバシーを確保しながら光を取り入れることができる中庭を作り出すことが、このプロジェクトの大きな課題でした。

「The Stacked」は、2024年にA'アーキテクチャー、ビルディングアンドストラクチャーデザインアワードでブロンズを受賞しました。この賞は、経験と独創性を証明する優れたデザインに与えられるもので、芸術、科学、デザイン、技術のベストプラクティスを組み込んでおり、強い技術力と創造力を発揮し、生活の質を向上させ、世界をより良い場所にすることに貢献しています。

写真撮影は野上潜一郎が担当しました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Takashi Izumi
画像クレジット: Photographer Senichiro Nogami
プロジェクトチームのメンバー: Takashi Izumi
プロジェクト名: The Stacked
プロジェクトのクライアント: Ishoudo Co.Ltd.


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The Stacked IMG #5
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