猫の爪とぎは、しばしば「破壊的な」行動と捉えられがちです。しかし、その視点を変え、猫と人間の新しい関係性を考えるきっかけとなるのが、このプロジェクトです。二重構造の特殊な布地が、猫の爪とぎによって徐々に絵画のような効果を現わし、共に生活空間を創造します。
「Catvas」は、猫の「破壊的」な行動を「創造的」なプロセスへと変える新しいペット用品です。使用済みの布パネルは単なる廃棄物ではなく、猫の生活の痕跡を芸術的な方法で記録し、保存する記念品となります。
木材、アルミニウム、古布や菌根から作られた布など、主にリサイクル可能な素材を使用しており、組み立てが容易なコンポーネントにより、包装コストと輸送時の廃棄物を大幅に削減できます。特に設計された多層布地は、上層が薄く、猫がより簡単に爪とぎを楽しめるようになっています。
このL字型の構造は、猫のストレッチ習慣に合わせており、取り外し可能な二重層の布パネルは簡単に交換が可能です。猫が爪とぎをする過程で下層の布が徐々に露出し、独特の視覚効果を次第に呈していきます。これは、家庭での装飾としてカスタマイズ可能なフレームとしても利用できます。
猫にとっては、爪とぎ板は表面の爪を定期的に取り除くためだけでなく、感情を発散しフェロモンを残す方法でもあります。人間にとっては、消耗品として定義されている爪とぎ板を「アートワーク」に変えることで、古いものを集める欲求も満たされます。
2024年のA'デザインアワードでアイアン賞を受賞した「Catvas」は、猫と人間が共に生活空間を創造する機会を提供します。猫の爪とぎ行動中に徐々に現れる独特の絵画のような効果は、単なる廃棄物ではなく、猫の生活の痕跡をより芸術的な方法で記録し、保存する記念品として機能します。
プロジェクトデザイナー: Zhenyang Yan
画像クレジット: Zhenyang Yan
プロジェクトチームのメンバー: Mingye Wang
Xuyang Zhang
Xiaofang Li
プロジェクト名: Catvas
プロジェクトのクライアント: Livelyhood