「Study」は、台湾で2023年に完成した6層・約46平方メートルの複合空間です。デザイナーのShih Han Chenは、各階ごとに異なる機能と雰囲気を持たせることで、利用者が階を移動するたびに新しい発見や感覚を味わえるよう設計しました。空間全体は「家」というコンセプトを中心に据え、どのフロアでも温もりを感じられるよう工夫されています。
デザインの特徴は、曲線を活かしたキャビネットや床の段差によるゾーニング、そして柔らかなグレーブルーと木目の組み合わせにあります。これらの要素が、まるで海の中にいるかのような穏やかで包み込まれる読書環境を生み出しています。特に1階は子ども向けの読書エリアとして設計され、段差のあるプラットフォームや高い天井の本棚が印象的です。
各階は異なるビジネスモデルや用途を持ち、1階と中二階は主に店舗スペースとして機能。透明なガラスの仕切りを採用することで、異なる空間にいる人々同士が視線を交わし、自然なコミュニケーションが生まれる設計となっています。2階はアメリカンスタイルの書斎で、暖炉やガラスケース、本棚が温かみのある雰囲気を演出。両面ソファの配置により、読書やプライベートな時間も快適に過ごせます。
設計にあたっては、動線や読書・飲食エリアの関係性、オフィスや住居としての機能性など、多様な要素をバランス良く統合する必要がありました。光や通風、余白の取り方にも細心の注意が払われ、各階の個性を保ちながらも、グレーとブルーの反復によって縦の一体感が生まれています。
このプロジェクトは、2025年のA'デザインアワード(インテリアスペース部門)でシルバー賞を受賞。審査員からは、技術的完成度と芸術性、そして利用者に驚きと心地よさをもたらす点が高く評価されました。Shih Han ChenとアシスタントのChiou Yi-Jiunによる協働が、現代のライフスタイルに新たな読書空間の可能性を提示しています。
「Study」は、インテリア建築やデザインの枠を超え、日常に“家”のような温もりと多様な体験をもたらす空間として注目されています。今後のライフスタイル空間のあり方に、一石を投じる事例となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: CHEN SHIH HAN
画像クレジット: Photographer: Hey!Cheese~
プロジェクトチームのメンバー: Designer : CHEN SHIH-HAN
Design assistant : CHIOU YI-JIUN
プロジェクト名: Bookstore Like Home
プロジェクトのクライアント: Thinking Design