茶葉が香る、東京発モダン中華ティーハウス「Chuji」

サステナブル素材と浮遊感が生み出す新しい空間体験

東京の多国籍な街並みに溶け込みながら、独自の美意識とサステナビリティを融合した中華ティーハウス「Chuji」。伝統と現代性が交差するこの空間は、五感を刺激し、都市生活者の新たな憩いの場として注目を集めている。

「Chuji」は、東京の静かな一角に誕生した中国茶とスイーツの専門店。周囲には華やかな中華レストランが立ち並ぶが、Atsushi Murakamiによるこの店舗は、視覚・触覚・嗅覚に訴える穏やかな空間を目指して設計された。モダンな東京スタイルを意識しつつ、和の静けさと中華の伝統が絶妙に調和している点が特徴だ。

コストコントロールを重視し、特別な素材ではなく、手に入りやすい材料を活用。切断方法や細部の工夫によって、シンプルながらも独創的で特別感のある空間を実現した。特に注目すべきは、使用済み茶葉を乾燥・粉砕し、左官材に混ぜ込むというサステナブルなアプローチ。茶葉の香りや色味、質感が壁面に残り、唯一無二の仕上がりとなっている。

年間約600kgもの茶葉が廃棄される現状に着目し、その一部を再利用することで、環境意識の向上にも寄与。茶葉本来の香りや存在感が空間全体に広がり、来店者は触覚や嗅覚を通じてサステナビリティを体感できる。こうした素材の再活用は、現代のライフスタイルにおける新たな価値提案となっている。

店舗面積は66㎡、天井高は2,450mm、席数は10席。座席エリアには直線がなく、大きなカーブを描くテーブルを中心に配置。重厚感のあるテーブルは一本脚と天井からの吊り下げ構造で、まるで空中に浮かんでいるかのような軽やかさを演出している。この独特なレイアウトが、非日常的な体験を生み出している。

来店者はショーケースや棚から商品を選んで購入でき、予約者には厳選された中国茶とスイーツのコースセットが提供される。静かな立地と洗練された空間設計、そしてサステナブルな素材使いが、都市生活者に新しいリラックスの形を提案している。

「Chuji」は、2025年A'デザインアワード・インテリアスペース部門でブロンズ賞を受賞。芸術性と技術力、そして持続可能性への配慮が高く評価されている。日常に新たな感性と価値をもたらす空間として、今後も注目を集めそうだ。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Atsushi Murakami
画像クレジット: Image #1-5: Photographer ©Nacása & Partners Inc.
プロジェクトチームのメンバー: Atsushi Murakami
プロジェクト名: Chuji
プロジェクトのクライアント: design Chill-out inc.


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