静寂と光が織りなす和モダン住宅「Quiet Contemplation」

ワビサビ美学が息づく、台中の新しい住まいのかたち

Fabio Suによる「Quiet Contemplation」は、自然と人間性への回帰をテーマに、都市の喧騒から離れた静謐な住環境を提案する住宅デザインです。余計な装飾を排し、ワビサビの美意識を基軸にしたシンプルで温かみのある空間は、住む人に心の平穏と豊かな時間をもたらします。

この住宅プロジェクトは、台中市で2023年1月に着工し、同年11月に完成しました。Fabio Suは、オーナーの「くつろぎと快適さ」を重視した要望を受け、ワビサビの哲学を現代住宅に落とし込むことに挑戦しています。都市生活の慌ただしさを忘れさせるような、光と影が静かに交差する空間設計が特徴です。

最大の特徴は、自然素材の質感を活かした「引き算のデザイン」。石やラタン、無垢材のダイニングテーブルやフローリングが、空間に温もりと素朴さを加えています。天井にはパティオ(中庭)を設け、自然光を室内に取り込みながら、RGB調光システムによって多様な雰囲気を演出。住まい全体が、時間帯や気分に応じて表情を変える仕掛けが施されています。

技術面では、アートペイントやミネラルペイント、KD環境配慮型PPボード、クリアガラスやグレイガラスなど、厳選された素材を使用。さらに、全館インテリジェントコントロールシステムを導入し、照明や空調などを一括管理できるスマートホーム仕様となっています。これにより、機能性と快適性が高次元で両立されています。

設計段階では、天井高や配管配置などの課題を、自然な曲線や洞窟のような空間構成で解決。オーナーとの綿密なコミュニケーションを重ね、動線や素材選び、照明計画まで細部にわたり最適化されています。プロフェッショナルな知見と創意工夫が結集し、唯一無二の住空間が実現しました。

この「Quiet Contemplation」は、2025年のA' Design Award(インテリアスペース部門)でブロンズ賞を受賞。アート、サイエンス、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを融合し、生活の質を高める住宅として高く評価されています。静寂と光が織りなすこの住まいは、現代人に新たな安らぎの価値を提案しています。

都市のスピードを緩め、日常に静けさと美しさを取り戻す「Quiet Contemplation」。ワビサビの精神が息づくこの空間は、忙しい現代社会において、心の豊かさを再発見するための理想的な住まいといえるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Fabio Su
画像クレジット: Image#1:Photographer A Hua Liu, zendo, 2023 Image#2:Photographer A Hua Liu, zendo, 2023 Image#3:Photographer A Hua Liu, zendo, 2023 Image#4:Photographer A Hua Liu, zendo, 2023 Image#5:Photographer A Hua Liu, zendo, 2023
プロジェクトチームのメンバー: Fabio Su
プロジェクト名: Quiet Contemplation
プロジェクトのクライアント: Zendo Design


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