ダイナソー型キャットボウルが生む新しいペット体験

機能美と遊び心が融合したXueyong LiangのDino Bowl

ペットとオーナーの双方に寄り添うデザインが、日常の食事シーンを楽しく快適に変える新たなプロダクトが登場しました。Xueyong Liang率いるデザインチームによる「Dino Bowl」は、ユニークな恐竜モチーフと実用性を兼ね備え、2025年のA'デザインアワードで高く評価されています。

「Dino Bowl」は、猫用フードボウルの新しいスタンダードを提案するプロダクトです。最大の特徴は、恐竜の首を思わせるシルエットと、背中のスパイン(背骨)を模したマドラーが一体化したデザイン。セラミック製の本体は高温焼成による一体成型で、耐久性と美しさを両立しています。マドラーはフードの混ぜやすさを追求し、どの角度から差し込んでも正しい向きに戻る工夫が施されています。

このボウルのもう一つの魅力は、猫の食事姿勢に配慮した傾斜設計です。リム(縁)部分を二重構造にすることで、焼成時の変形を防ぎながら、猫が自然な姿勢で食事できる角度を実現しています。研究によると、従来のペット用ボウルは機能面やデザイン面で画一的であり、ユーザーや猫の実際のニーズが十分に考慮されていないことが多いとされています。「Dino Bowl」はその課題に応え、実用性と遊び心を両立させました。

デザインプロセスでは、マドラーとボウルの一体感や、セラミック成形時の精度確保に細心の注意が払われました。マドラーの挿入穴と本体形状の調整を繰り返し、最適なフィット感と使い勝手を追求。ユーザーからは「混ぜ棒が付属していることで缶詰フードの準備が楽になった」「恐竜の形がインテリアとしても魅力的」といった声が寄せられています。

本製品は2023年10月に杭州で開発がスタートし、2024年4月にはThe ONE Pet Showで展示されました。全長168mm、幅140mm、高さ164mm、容量115ml、重さ1kgと、日常使いに適したサイズ感です。セラミックとPP素材の組み合わせにより、清潔さと耐久性も確保されています。

「Dino Bowl」は、2025年A'デザインアワードのペットケア部門でブロンズ賞を受賞。審査員からは「芸術性と実用性の融合」「ユーザー体験を高める創意工夫」が高く評価されました。特許も出願中で、今後の展開が期待されています。

日々のペットライフに新たな彩りをもたらす「Dino Bowl」。デザインの力で、猫とオーナーのコミュニケーションがより豊かになる未来が広がっています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Liang Xueyong
画像クレジット: Liang Xueyong
プロジェクトチームのメンバー: Wang Sijia Yu Fei Yu Sushu
プロジェクト名: Dino
プロジェクトのクライアント: Suzao Union (Hangzhou) Technology Co., Ltd.


Dino IMG #2
Dino IMG #3
Dino IMG #4
Dino IMG #5
Dino IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む