現代的サインで学生の安心感を高めるHwg Campus Lu

タイポグラフィと色彩で実現した新しいキャンパス体験

ドイツ・ルートヴィヒスハーフェンのUniversity of Business and Societyに導入された「Hwg Campus Lu」は、学生の安全と自信、そして快適な移動を支えるために設計された現代的なウェイファインディングシステムです。デザイナーのトーマス・ガイサートが手掛けたこのプロジェクトは、独自性とオリジナリティを追求し、国際色豊かなキャンパス環境に新たな価値をもたらしています。

Hwg Campus Luのサインシステムは、視認性と心理的な安心感を両立するため、モダンかつクラシックなタイポグラフィを採用し、落ち着いたデザインが特徴です。学生が安心して移動できるよう、情報の階層が明確に整理されており、混乱を招かない配慮が随所に施されています。高コントラストの配色とオープンフォント「Roboto」の使用により、国際的な学生にも分かりやすい案内を実現しています。

このシステムの最大の特徴は、視覚的なノイズを抑えつつ、必要な情報を的確に伝えるバランス感覚にあります。サインの素材にはアルミフレームとコンクリートベース、そして現代的なレタリングが施されたアルミパネルが使われています。ロゴはガラス繊維強化コンクリートにミリング加工され、建物番号は色分けされて夜間にはライトアップされるなど、細部までこだわり抜かれています。

アクセシビリティにも重点が置かれており、視覚障害者向けの触知式レタリングを備えた情報ボードが開発されています。フォントと背景の高いコントラストにより、誰もが容易に情報を読み取れる設計です。これにより、キャンパス全体のサービス品質向上にも大きく貢献しています。

デザインプロセスは2015年に始まり、2024年に実装が完了しました。建築や屋外施設の色彩や素材を取り入れ、周囲と調和しながらも独立した存在感を放つサインシステムが完成しています。レーザーカットアルミやパウダーコーティング、バックライト付きアクリルガラス、エングレーブドコンクリートなど、多様な素材の加工と仕上げが一体となった点も高く評価されています。

このプロジェクトは、短命なトレンドに流されることなく、耐久性と普遍性を兼ね備えたデザインを追求しました。2025年にはA' Graphics, Illustration and Visual Communication Design Awardのブロンズ賞を受賞し、技術力と創造性、そして生活の質向上への貢献が国際的に認められています。

Hwg Campus Luは、現代的なデザインと機能性、そして人への配慮が融合した新しいキャンパスの指標となっています。今後も、こうしたサインシステムが多様な学びの場で広がることが期待されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Geissert Thomas
画像クレジット: TEAMGEISSERT
プロジェクトチームのメンバー: Thomas Geissert
プロジェクト名: HWG Campus LU
プロジェクトのクライアント: TEAMGEISSERT


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