ミカ・カナヤマによる「Claude’s Kitchen」は、スマートカジュアルな美意識と開放感あふれる設計が特徴です。店内にはバーエリア、三つの異なるダイニングゾーン、二つのプライベートルームが配置され、来訪者に多様なダイニング体験を提供します。ネイビーの天井が空間全体を穏やかにまとめ、低めの素材と豊かなグリーンが調和し、洗練された雰囲気を演出しています。
このレストランの最大の特徴は、三つの天窓から降り注ぐ自然光です。昼間は柔らかな光が店内を満たし、夜は特徴的な照明が天井をドラマティックに照らします。これにより、時間帯ごとに異なる表情を見せるダイナミックな空間が生まれています。中央のバンケットシートはグリーンに囲まれ、プライバシーを確保しながらも開放感を損なわない設計です。
設計・施工には、伝統と現代性を融合させた素材選びが光ります。壁面には新旧のレンガを巧みに組み合わせ、歴史的な趣と現代的な洗練を両立。オーダーメイドの金属パネルやリーデッドガラスの棚は、精緻なクラフトマンシップと最新の製造技術の結晶です。天窓の配置は自然光の最大化と省エネルギーを両立し、サステナブルな空間づくりにも貢献しています。
ゲストは、エントランスのバーでターコイズのタイルとオパールグローブのペンダントライトに迎えられます。トンネル状のダイニングエリアは、リーデッドガラスと金属フレームの組み合わせによる柔らかな照明で親密な雰囲気を演出。メインダイニングは大きな天窓の下、昼は自然光、夜は温かな照明に包まれ、時間ごとに異なる魅力を放ちます。
設計過程では、二つの異なる建物を一体化し、ゾーンごとの流れや機能性を最適化するための研究が重ねられました。空間の連続性と開放感を保ちつつ、動線や居心地の良さを追求。さらに、耐火基準を満たしつつ美観を損なわない素材選定にも注力し、安全性とデザイン性の両立を実現しています。
「Claude’s Kitchen」は、2025年A’デザインアワード ブロンズ賞を受賞し、アート・サイエンス・テクノロジーの融合による質の高いライフスタイル空間として高く評価されています。都市の中心で、心地よい静寂と洗練されたダイニング体験を求める人々にとって、新たな目的地となることでしょう。
プロジェクトデザイナー: Mika Kanayama
画像クレジット: All images: Photographer Sara Hibbert
プロジェクトチームのメンバー: Mika Kanayama
プロジェクト名: Claude's Kitchen
プロジェクトのクライアント: Muzo