多機能アームレストが提案する新しい快適性とサステナビリティ

革新的な調整機構と環境配慮素材で進化するオフィス家具

近年、働き方やライフスタイルの多様化に伴い、快適な座り心地を追求するオフィス家具の進化が注目されています。Guangzhou Pure Faith Technology Co., Ltd.が開発した「Ac106sd」は、エルゴノミクス(人間工学)に基づく設計と環境配慮を両立させたアームレストで、2025年のA'デザインアワード・オフィス家具部門でブロンズ賞を受賞しました。

「Ac106sd」は、従来のアームレストが抱えていた調整範囲の制限を克服するため、アークジョイント(曲線関節)とラチェットシステムを組み合わせた独自の構造を採用しています。これにより、前後へのフリップ、左右への回転、水平・垂直方向の移動、高さ調整など、多様な動作が可能となり、ユーザーの体格や姿勢、利用シーンに応じて最適なポジションを実現します。

このアームレストの最大の特徴は、45mmの水平移動、360度のスイベル、18度のフリップ、216度の回転、100mmの高さ調整といった幅広い可動域です。さらに、ラチェットシステムによる細やかな調整とロック機構が組み合わさることで、調整後の安定性と使い勝手が大幅に向上しています。

素材面でも先進的なアプローチが取られています。外装には廃タイヤや海洋プラスチックごみを再利用したプラスチックラバーを使用し、内部のラチェットやジョイント部分には高強度チタン合金を採用。これにより、耐久性と長期的な安定性を確保しつつ、落ち着いたマットな質感と洗練されたデザインを両立しています。

開発過程では、従来のアームレストが持つ「調整の自由度不足」という課題に対し、ユーザーの多様なニーズに応えるための構造設計と素材選定が重ねられました。さらに、チェアとの接続部分も交換可能な設計となっており、さまざまなエルゴノミックチェアに対応できる柔軟性を備えています。

「Ac106sd」は、オフィスや自宅のワークスペース、ゲームテーブル、図書館の読書室など、現代的な空間に自然に溶け込むミニマルな美しさも特徴です。エルゴノミクスとサステナビリティを両立したこのアームレストは、快適な作業環境づくりに新たな選択肢を提供しています。

多機能性と環境配慮を兼ね備えた「Ac106sd」は、今後のオフィス家具デザインにおける新たな基準となる可能性を秘めています。快適性と持続可能性を重視する現代のライフスタイルにおいて、その存在感はますます高まるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Guangzhou Pure Faith Technology Co., Ltd.
画像クレジット: Guangzhou Pure Faith Technology Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: Chunwei Lu Lang Chen Ping Chen Hang Gao Pinghua Liu Jinxing Huang Xiaojun Xian Chang Chen
プロジェクト名: Ac106sd
プロジェクトのクライアント: Guangzhou Pure Faith Technology Co., Ltd.


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