JIALIの新しいランジェリーショップは、従来の仕切りを取り払い、空間全体を大胆に拡張。レンガやネオンライトといった懐かしい素材を現代的に再解釈し、二世代にわたるブランドの歩みを空間に落とし込んでいます。これにより、伝統と現代ファッションが自然に融合し、ブランドの新たな章を象徴する場となりました。
左右のディスプレイエリアにはグレーを基調とした落ち着いたトーンを採用し、JIALIの工業的なルーツを表現。中央のカウンターは両ブランドをつなぐ役割を果たし、レンガ壁が旧工場の雰囲気を演出します。ガラスやミラーは現代性を象徴し、ガラスで覆われたレンガが伝統と革新の両立を強調。オリジナルエリアには亜鉛メッキ鋼やネオンライトがノスタルジックな空気を醸し出し、新エリアでは彫刻的な曲線が現代女性のフォルムを表現しています。
素材選びにもこだわりが見られ、アイアンパーツや透明ガラス、スペイン製レンガ、アクリルなど多様な素材を組み合わせることで、視覚的なコントラストと奥行きを生み出しています。特にアクリルは、鮮やかな色彩の強い印象を和らげつつ、ディスプレイエリアの境界を明確にする役割を果たしています。カウンターのスペインレンガの中空デザインやミラーは、ブランドの進化と世代間のつながりを象徴しています。
この空間は約148.7平方メートルの店舗をリノベーションしたもので、新旧ブランドのディスプレイエリアが一体となるよう設計されています。中央カウンターが両ブランドを統合し、企業認知度や管理効率も向上。カスタムメイドの棚や曲線ガラス、レーザーカット技術の活用など、細部に至るまで高い技術力が発揮されています。
オーナーからは、完成後に「美しさと深い意味を兼ね備えた空間」と高く評価されました。ブランドの歴史を巧みに空間に織り込み、新規顧客にはストーリーを伝え、既存顧客には新たなイメージを印象付ける設計となっています。伝統と革新が調和したこのショップは、JIALIの過去・現在・未来をつなぐストーリーテラーとして機能しています。
このプロジェクトは2025年、A' Design Awardのインテリアスペース・小売・展示デザイン部門でブロンズ賞を受賞。芸術性と技術力、そしてブランドの価値向上に寄与する優れたデザインとして高く評価されています。今後も、ブランドの物語を空間で体験できる新しいショップデザインの潮流に注目が集まります。
プロジェクトデザイナー: KUN-YEN LU
画像クレジット: Rumo Interior Design
プロジェクトチームのメンバー: Kun-Yen Lu
プロジェクト名: Connecting Sculpture
プロジェクトのクライアント: Rumo Interior Design