Shellmine Kidsは、福井クラフトが開発した卵殻バイオマス樹脂を使用した子ども用食器セットです。プラスチックによる環境問題が深刻化する中、卵殻を再利用したバイオマス素材は、従来の樹脂製品に比べてCO2排出量を37%、石油由来成分を44%削減できる点が大きな特徴です。日本バイオマスマーク55も取得し、循環型社会への貢献が期待されています。
デザインの最大の特徴は、素材の価値を「見える化」した点にあります。ひよこをモチーフにした愛らしいフォルムと、白と茶色の卵殻が混ざり合った独特の色合いが、素材の由来を直感的に伝えます。これにより、消費者が環境配慮型商品を選ぶきっかけを生み出し、未来の地球環境について考える機会を提供します。
機能面でも、幼児の「自分で食べたい」という気持ちをサポートする工夫が随所に施されています。底面を厚く設計し重心を低くすることで倒れにくくし、表面の凹凸が手にしっかりフィットするため、子どもが持ちやすく落としにくい設計です。素材の比重が陶器に近いため、薄くても十分な重みがあり、安定感を実現しています。
また、120名以上の保護者への調査をもとに、洗いやすさや食洗機対応など、日常使いの利便性も追求。ひよこ皿の裏面の溝をなくすことで洗いやすさを向上させました。通常は樹脂使用量が増えるため環境負荷が懸念されますが、57%が卵殻由来のため影響は最小限に抑えられています。
子ども用食器は成長とともに使われなくなる課題がありますが、Shellmine Kidsは大人でも使いやすい形状と、取り外し可能なパーツ設計により、長く愛用できる工夫がなされています。贈り物としても人気が高く、環境教育のきっかけとしても注目されています。
Shellmine Kidsは、2025年A'デザインアワードのブロンズ賞を受賞し、アート・サイエンス・デザイン・テクノロジーのベストプラクティスを体現する製品として高く評価されています。環境配慮と子どもの成長を支えるデザインが、これからのライフスタイルに新たな価値をもたらします。
持続可能な未来を目指す日常の選択肢として、Shellmine Kidsのようなプロダクトが、家族や社会全体の意識を変える小さな一歩となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: YOHEI MURAI
画像クレジット: [ Main image: Photographer Naoki Tatori, shellmine, 2023. ][ Image#1: Photographer Naoki Tatori, Shellmine, 2023. ][ Image#2: Photographer Naoki Tatori, Model: Yuzuha Oka, Shellmine, 2023. ][ Image#3: Photographer Naoki Tatori, Model: Ame Murai, Shellmine, 2023.][Image#4: Photographer Naoki Tatori, Shellmine, 2023.]
プロジェクトチームのメンバー: YOHEI MURAI
プロジェクト名: Shellmine Kids
プロジェクトのクライアント: Doshisha Women's College of Liberal Arts