このプロジェクトの最大の特徴は、オーナーの強い個性と独自の美意識を空間に反映させている点です。ダークトーンを基調としながらも、ディアトマイト(土壌由来の自然素材)や木目、ガラスを巧みに取り入れることで、硬質なインダストリアル要素と柔らかな温もりが共存。広々とした玄関は収納力を高めるだけでなく、空間全体にダイナミックな印象を与えています。
リビングの大きなテレビウォールには、細かな孔が特徴のディアトマイトが施され、光と影の移ろいによって唯一無二の表情を生み出します。天井の高低差やRGB照明が奥行きと活気を演出し、クロスロードブリックの反射や木材の温かみが空間に豊かなテクスチャーを加えています。ガラスの透明感も相まって、全体の雰囲気を柔らかく包み込みます。
素材選びにもこだわりが光ります。アイアンワークやレールタイルが黒の重厚感を、ディアトマイトがグレーの柔らかなグラデーションを、ガラスや木目調フローリングが明るさを添えています。これらのレイヤーがシンプルかつ洗練された美しさを保ち、空間の奥深さを際立たせています。
92.5平方メートルの住まいは、3部屋・リビング・ダイニング・2バスルームで構成。間仕切りを撤去して収納スペースを拡張し、ダイニングとピアノエリアを一体化するなど、大胆なレイアウト変更でオープンプランと実用性の両立を実現しました。玄関収納も拡張され、日常の利便性が大きく向上しています。
デザインの実現にあたっては、工事中の騒音や近隣への配慮も徹底されました。法令遵守とオープンなコミュニケーションにより、地域社会との良好な関係を維持。オーナーの「知的で控えめな色彩」を尊重し、パステルやアースカラーを避けてグレーや木の質感を基調に、余計な装飾を排除したミニマルな空間が完成しています。
「Mure Et Musc」は、個性と機能美、そして温もりが見事に融合した現代レジデンスの新たな指標です。アートとテクノロジー、デザインのベストプラクティスが息づくこの空間は、住まう人の心に安らぎと誇りをもたらします。今後も、ライフスタイルを豊かにするデザインの進化から目が離せません。
プロジェクトデザイナー: TWM Interior Design
画像クレジット: TWM Interior Design
プロジェクトチームのメンバー: Peng-Sen Chin, Yi-Xuan Chen
プロジェクト名: Mure Et Musc
プロジェクトのクライアント: TWM Interior Design