静けさが息づく、曲線美のミニマルレジデンス

住まい手の個性を映す、洗練された空間デザインの真髄

天津に誕生した「Tranquility」は、オーナー夫妻の控えめで落ち着いた人柄を空間に映し出す、290㎡のフラットフロア住宅。ミニマリズムを追求しながらも、細部へのこだわりと流れるような曲線美が、静寂と調和に満ちた新たな住空間を創出している。

本プロジェクトは、明確な要望を持たなかったオーナー夫妻の人柄にインスパイアされ、デザイナーの呉建国(Wu Jianguo)がその内面性を空間に落とし込むことから始まった。夫妻の「控えめ」「穏やか」「知的」といった本質的な特徴が、住まいの随所に繊細に表現されている点が特徴だ。最終的な仕上がりは、オーナー夫妻自身も高く評価している。

居住空間は、グレーとホワイトを基調としたクールな色調で統一され、シンプルながらも上質なクラフトマンシップが随所に光る。ブラックメタルのアルミパネルやウォールナットの突板、アートボードなど多様な素材が用いられ、特にウォールナットの繊細な彫刻模様が、全体の静けさの中に豊かなディテールを添えている。

設計段階では、既存の間取りが合理的だったため、大幅な構造変更は行わず、動線の流れをよりスムーズにするために一部の非耐力壁を撤去。特に主寝室やクロークルームの回遊性を高め、日常の動きやすさを追求した。ペットと共に暮らす夫妻のため、玄関近くの一室をペット専用ルームに改装し、魚用の配管や隠し扉など、機能性とデザイン性を両立させている。

最大のチャレンジは、リビングとバルコニーの間に存在する撤去不可能なコンクリート壁の処理だった。ここに柔らかな曲線の垂直面を設け、天井まで連続させることで、空間全体に優雅で流れるような一体感を生み出している。この曲線美が、空間に静けさと流動性をもたらし、住まい手の「時が静かに流れる」感覚を体現している。

「Tranquility」は、2025年A' Design Awardのインテリア部門でブロンズ賞を受賞。アート、サイエンス、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを融合し、住まいの質を高めることで、より良い暮らしを提案する作品として高く評価された。静寂と調和、そして住まい手の個性を映し出すこの住空間は、現代の都市生活に新たな価値をもたらしている。

「Tranquility」は、静けさと美しさを求める人々に、空間デザインの新たな可能性と豊かなライフスタイルを提案し続けている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Jianguo Wu
画像クレジット: Tianjin Qingyun decoration design Co., LTD
プロジェクトチームのメンバー: Wu Jianguo
プロジェクト名: Tranquility
プロジェクトのクライアント: Jianguo Wu


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