香港住宅協会エキシビションセンターが描く未来の住まい体験

革新的展示と人間中心デザインが信頼と共感を育む空間

香港住宅協会(HKHS)のエキシビションセンターは、70年にわたる住宅提供の歴史と未来へのコミットメントを体感できる場として、2024年3月にリニューアルオープンしました。多様なインタラクティブ技術と温かみのある空間設計が、訪れる人々に深い共感と信頼をもたらしています。

香港では多くの家族が公営住宅の入居を5年も待つ現状があります。こうした背景のもと、Dennis Wong率いるOVAL Designは、エキシビションセンターを単なる展示空間ではなく、来場者が住宅政策への信頼と希望を感じ取れる体験型の場として再構築しました。空間全体に流れる温もりと触れることのできる展示物が、訪問者の心にメッセージを残します。

リニューアルされたセンターは、わずか200平方メートルの空間に大きな使命を託されています。HKHSが過去70年にわたり信頼される住宅提供者であったこと、そして今後も香港の家族と共に歩むパートナーであり続けるという強い意志が、展示の随所に表現されています。来場者は、HKHSの歴史と未来への約束を、五感で感じ取ることができます。

技術面では、旧式電話で操作するインタラクティブキオスクや、LEDドームによる360度VR体験、裸眼3Dアニメーション、デジタルツイン、リアルタイム投票システムなど、最先端のデジタル技術が導入されています。これらは、来場者が自ら情報にアクセスし、住宅政策の現状や未来像を直感的に理解できるよう工夫されています。

展示は「コミュニティのための住まいづくり」「住宅のはしご」「持続可能な暮らしの創造」という3つのテーマゾーンで構成され、物理的なボードやデジタルスクリーン、インタラクティブゲームなど多様なフォーマットが円環状に配置されています。特に、来場者が中心の樹に水をやる体験は、市民と住宅政策の架け橋を象徴し、HKHSの人間中心の姿勢を強調しています。

設計過程では、急角度の床面や低い天井高など、空間的な制約を逆手に取ったクリエイティブな解決策が求められました。特に、VRゴーグルを使わずに没入体験を提供するため、三角形のスペースにドーム型LEDスクリーンを設置するアイデアは、ポストコロナ時代の新たな展示手法として高く評価されています。

このプロジェクトは、ユーザーリサーチやコミュニケーション戦略、技術検証を重ね、来場者の多様なニーズに応える空間を実現しました。2025年にはA'デザインアワードのブロンズ賞も受賞し、アート、サイエンス、デザイン、テクノロジーの融合による生活の質向上への貢献が認められています。

香港住宅協会エキシビションセンターは、革新的な展示と人間中心のデザインで、住宅政策への信頼と希望を育む新たなランドマークとなっています。今後も、より良い住まいとコミュニティの未来を描き続ける場として、その役割が期待されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Oval Design Limited
画像クレジット: OVAL Design Limited
プロジェクトチームのメンバー: Vic Chan, Kong Hui, Kaitlyn Leung, Karina Li, Adrianne Chong, Eva Leung
プロジェクト名: Hkhs Exhibition Centre
プロジェクトのクライアント: Hong Kong Housing Society


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