自然とデータが融合する図書館体験:Datalenseの革新

北京城市図書館の巨大インタラクティブ画面がもたらす新たな読書空間

デジタル時代における図書館の役割が再定義されつつある今、北京城市図書館では、自然とテクノロジーを融合させた先進的なデータビジュアライゼーションシステム「Datalense」が導入され、来館者に新たな知的体験を提供している。

近年、モバイル端末での断片的な情報消費やショート動画の普及により、図書館での深い読書体験が減少傾向にある。こうした現状を打破し、図書館の新たなイメージを創出するため、Yu Guo氏率いるデザインチームは、図書館入口に18メートル幅・3メートル高の巨大インタラクティブスクリーンを設置。ここに表示される「Datalense」は、リアルタイムデータと自然の景観を融合した独自のUIデザインが特徴だ。

このシステムのインスピレーションは、「木陰や芝生、自然の中で読書する懐かしい記憶」に由来する。春夏秋冬の季節感や谷間、小川などの自然モチーフをUIに取り入れ、建築モデルと多次元データを連動させることで、棚田や銀杏林などの立体的な空間を仮想的に探索できる。ユーザーは画面をタッチすることで、展示エリアや蔵書、講演イベント、空気質や来館者数などのリアルタイム情報にアクセス可能だ。

技術面では、Alibaba CloudのDataVをベースに自社開発のCityVエンジンを活用し、3D GISやリアルタイムレンダリング、AI技術を組み合わせたデジタルツイン環境を実現。Unreal EngineやC4D、3DMaxなどのツールで制作された3Dモデルやアニメーションが、季節や昼夜、祝祭日ごとに変化するダイナミックなビジュアルを生み出している。

操作性にも工夫が凝らされている。Pad端末からの遠隔操作や、複数人による同時タッチ操作が可能で、画面上のモジュール選択に応じてダイナミックなデータシーンが展開。アイドル時には自動でプリセットされたスクリプトが再生され、来館者の興味を引き続ける。これにより、図書館の情報が直感的かつ立体的に可視化され、従来の静的な案内板とは一線を画す体験が実現されている。

「Datalense」は、図書館のデジタル変革を象徴する存在として、2025年にA' Design Awardのプラチナ賞を受賞。空間・データ・人を調和させる設計思想と、自然美と先端技術の融合が高く評価された。今後もアップグレードを重ねながら、知の交流と文化的イノベーションの拠点として進化し続けることが期待されている。

図書館の未来像を体現する「Datalense」は、単なる情報提供を超え、来館者の五感と知的好奇心を刺激する新たな読書体験を創出している。データと自然が調和する空間で、知識との出会いがより豊かになる時代が到来している。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Alibaba Cloud
画像クレジット: Alibaba Cloud
プロジェクトチームのメンバー: Yu Guo Xu Zhang ShuHao Liu Yue Gao JiaWei Ding Ting Li SanYao Tang YiYang Li YuJuan Huang YongQi Zhang XingQiang Huang XiaoXi Cheng Di Liu Zibiao Liu Hanying Yue
プロジェクト名: Datalense
プロジェクトのクライアント: Alibaba Cloud (Beijing) Technology Co., Ltd.


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