「Infinite Wave」は、日中から夜へと移り変わる自然光と人工光の交錯によって、刻一刻と異なる表情を見せる。特に月明かりが現れると、血潮を思わせる深紅の光が作品全体に浸透し、輪郭がぼやけた状態から鮮明へと変化する様子が印象的だ。夜が更けると、人工光がインスタレーションを包み込み、多次元的な光の波が空間を再び交錯する。
この作品は、モビウスの帯をモチーフとした折り構造を基盤にしている。計算設計ツールとレーザー切断技術、そして光ファイバー素材を用いることで、線・面・立体の相互作用を最大限に引き出している。幅4,000mm、奥行4,200mm、高さ2,500mmというスケール感も、空間全体を包み込む没入体験を実現している。
インスタレーションの中では、夜の闇を貫く赤い光線が空間を横切り、鑑賞者を導く灯火のように地表の変化を静かに浮かび上がらせる。多次元的な光の波が交差し、訪れる人々は無限の幾何学的錯覚に包まれながら、方向感覚を失い、やがて意識がぼやけから明瞭へと還るプロセスを体験する。
このプロジェクトでは、光ファイバーを構造体として初めて本格的に採用。三次元レーザー切断技術によって各金属ユニットの角度や位置を精密に決定し、光を構造体に「付着」させるという新たな表現を実現した。台湾の製造技術とアートの融合も、地域産業との新たな接点を生み出している。
「Infinite Wave」は、2024年1月から3月まで台南・月津港で展示され、A'デザインアワード2025年ライティング部門でブロンズ賞を受賞。芸術、科学、デザイン、テクノロジーのベストプラクティスを体現し、生活の質向上に寄与する革新的な作品として高く評価された。
光と空間、時間の流れを体感できる「Infinite Wave」は、アートとテクノロジーの融合がもたらす新たなライフスタイル体験の可能性を示している。今後もこうしたインスタレーションが、都市や人々の感性にどのような変化をもたらすのか注目される。
プロジェクトデザイナー: Chao Lin Cheng
画像クレジット: Image #1: Photographer FIXER Photographic Studio, 2024
Image #2: Photographer FIXER Photographic Studio, 2024
Image #3: Photographer FIXER Photographic Studio, 2024
Image #4: Photographer FIXER Photographic Studio, 2024
Image #5: Photographer FIXER Photographic Studio, 2024
Video Credits: Chao Lin Cheng
プロジェクトチームのメンバー: Chao Lin Cheng
プロジェクト名: Infinite Wave
プロジェクトのクライアント: Yuejin Art Museum & Cultural Affairs Bureau, Tainan City Government