ペンギンの健康と交流を革新するPenguBuddyの挑戦

動物福祉と来館者体験を融合したインタラクティブロボット

動物園で暮らすペンギンたちは、環境や習慣の変化によって気分や行動に影響を受けやすく、健康管理が重要視されています。Here Design Studioによる「PenguBuddy」は、テクノロジーと動物福祉を結びつけ、ペンギンの健康データを追跡しながら、来館者と動物の新たな交流を創出する画期的なシステムです。

PenguBuddyは、ペンギンの自然な遊び行動と環境エンリッチメント(動物の生活環境を豊かにする工夫)から着想を得て開発されました。既存の技術では個体ごとのデータ追跡が困難でしたが、本システムは水中ロボットを活用し、ペンギンの活動データをリアルタイムで収集します。このロボットはおもちゃとしての役割も果たし、ペンギンの運動や好奇心を刺激します。

来館者は専用のモバイルアプリを通じてロボットを操作し、ペンギンと直接インタラクションを楽しむことが可能です。アプリには教育コンテンツやギフト・寄付機能も備わっており、楽しみながらペンギン保護活動への参加を促進します。Georgia Institute of TechnologyのACIラボでセンサーの実証実験も行われ、科学的な裏付けのもとで設計されています。

設計面では、FigmaやAdobe After EffectsでUIデザインを作成し、Rhinoで水中ロボットの3Dモデリングとレンダリングを実施。ロボット本体は幅640mm×奥行120mm×高さ500mmと、実際のペンギンの動きに合わせたサイズ感で設計されました。アプリはiOSガイドラインに準拠し、直感的な操作性を重視しています。

開発過程では、30時間に及ぶ現地観察や飼育員・来館者へのインタビュー、プロトタイプテストを通じて、ユーザーと動物双方のニーズを徹底的に分析。ロボットの耐久性や安全性、動物倫理に配慮した動作パターンの設計、そして来館者が能動的に参加できるゲーミフィケーションや教育要素の導入が特徴です。

PenguBuddyは、ペンギン、飼育員、来館者をつなぐ新たな体験を提供し、動物福祉と社会的インパクトを両立したデザインとして高く評価されています。2025年にはA' Social Design AwardのIron賞を受賞し、実用性と革新性を兼ね備えた社会貢献型プロダクトとして注目を集めています。

今後、動物園や水族館での導入が進めば、動物福祉の向上と来館者の学び・参加体験がさらに広がることが期待されます。テクノロジーとデザインが生み出す新しい動物との関わり方に、さらなる発展が注目されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Yuwei Li
画像クレジット: Melody Moore Jackson, Georgia Tech ACI Lab
プロジェクトチームのメンバー: UX Designer: Yuwei Li UI Designer: Xinyue Ren, Yuchuan Yu Industrial Designer: Han Huang, Youyang Hao
プロジェクト名: Pengu Buddy
プロジェクトのクライアント: Georgia Aquarium


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