鎌倉カントリークラブ:新時代のゴルフクラブハウス体験

自然と調和した「サードプレイス」が生み出す豊かな時間

鎌倉市の丘の上に位置する鎌倉カントリークラブは、日常とゴルフを結ぶ新しい「サードプレイス」として生まれ変わりました。建築家・カスヤ・ヒジュンによるリニューアルは、ゴルフだけでなく、仕事や読書、フィットネスなど多様な過ごし方を提案し、現代のライフスタイルに寄り添う空間を実現しています。

鎌倉カントリークラブのリニューアルは、従来のゴルフクラブハウスの枠を超えた新たな価値を提案しています。設計の核となるのは、「サードプレイス」という発想。これは、家庭や職場とは異なる第三の居場所として、ゴルフを楽しむだけでなく、リラックスや自己研鑽、リモートワークなど多彩な活動ができる環境を提供するものです。日本初となるモバイルワークプレイスの導入により、ゴルフの合間に仕事をしたり、仕事の合間にゴルフを楽しむといった柔軟なライフスタイルが可能になりました。

建築デザインにおいては、内外に印象的なフォーカルポイントが設けられています。外観とインテリアには、創業精神を象徴する城壁をイメージした石積みが施されており、屋内外をつなぐデザインアイコンとして機能しています。また、敷地に元々あった大きなケヤキの切り株をアトリウムにオブジェのように配置し、ミニマルなシャンデリアと対比させることで、過去と未来を対話させる物語性のある空間を創出しています。

サステナビリティと快適性にも配慮がなされています。クラブハウス全体は地下水を汲み上げ、飲料水からトイレに至るまで蒸留処理した水を使用。大規模な蒸留設備を導入することで、丘の上という立地における断水リスクにも備え、利用者が安心して過ごせる環境を整えています。

施設面では、1階・2階合わせて1,320平方メートルの内装リニューアルが行われ、耐震補強も実施。2階にはフィットネスルームやレストラン、プレミアムラウンジが設けられ、読書やリモートワーク、トレーニングなど多様なニーズに応えています。周囲を自然に囲まれ、湘南の海や横浜市まで見渡せる眺望も、日常を豊かに彩る要素となっています。

このプロジェクトは、コロナ禍という困難な状況下で、石材の調達や施工において粘り強い交渉と工夫を重ね、2021年3月から2023年1月にかけて完成しました。鎌倉カントリークラブのリニューアルは、ゴルフクラブハウスの新しい在り方を提案する先進的な事例として、2025年のA'デザインアワード・インテリアスペース部門でブロンズ賞を受賞しています。

鎌倉カントリークラブは、ゴルフを中心に据えながらも、自然と調和した多様な過ごし方を可能にする「サードプレイス」として、現代人の豊かなライフスタイルを支える新たな拠点となっています。今後も、こうした空間が都市近郊のクラブライフに新しい価値をもたらすことが期待されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hijung Kasuya
画像クレジット: Photo / Astushi Nakamichi / Nacasa & Partners inc. Interior & Exterior Designer / Hijung Kasuya / CONTEMPORARY MARKET.
プロジェクトチームのメンバー: Hijung Kasuya
プロジェクト名: Kamakura
プロジェクトのクライアント: Kamakura Country Club


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