幸運を招く伝統と現代性が融合したラッキーブレッド

クレタ島の職人技とシンボリズムが織りなす贈り物の新しい形

ラッキーブレッドは、クレタ島マラソスの伝統的な結婚式用ベーグルの消えゆく芸術を称え、現代の贈答文化と融合させたユニークなフードパッケージデザインです。アントニア・スカラキによるこのプロジェクトは、象徴性と職人技、そしてパーソナライズを通じて、繁栄や成功への願いを込めた特別な体験を提供します。

ラッキーブレッドは、クレタ島の伝統的な結婚式用ベーグルを現代の贈り物として再解釈したアート性の高いフードパッケージです。各ベーグルは職人「ホンブリアストレス」によって手作業で成形され、ロータスやトンボ、生命の樹などのシンボルが繊細に飾られています。これらのモチーフは、楽観、保護、変革などの願いを象徴し、受け取る人に新たな始まりと幸運を届けます。

パッケージデザインにもこだわりが詰まっています。美しいイラストが施されたボックスには、ベーグルと同じシンボルが描かれ、視覚的なストーリーを形成。箱を開けると、同じく象徴が刻まれたリング状のパンと、各シンボルの意味を解説したリーフレットが現れます。この体験型のデザインは、贈り物を受け取る瞬間から特別な意味を感じさせます。

製作には、伝統的な技術と現代的なパッケージング技法が融合されています。直径330mm、高さ80mmのベーグルは、オフセット印刷やCMYK、バーニッシュ加工を施したベルベット紙(150g)で包まれ、手作業によるラミネートや装飾が加えられています。技術的な工夫と職人の手仕事が、唯一無二の存在感を生み出しています。

このプロジェクトは、アテネとクレタ島で約8か月かけて実現され、150名のクライアントに届けられました。リサーチ段階では、チームメンバーの出身地ごとの風習を調査し、最も魅力的な伝統を選定。現地の女性たちがそれぞれのシンボルを生地に施し、クレタのスタマタキス・ベーカリーで焼き上げられました。

最大の挑戦は、従来のシンボルから脱却し、より複雑で新しいモチーフを生み出すことでした。職人たちは慣れ親しんだ手法を刷新し、細やかな象徴をパン生地で表現することで、伝統と革新を見事に融合させました。

ラッキーブレッドは、アントニア・スカラキと14名のデザインチームによるコラボレーションの結晶であり、2025年A'パッケージデザイン賞でアイアン賞を受賞。業界のベストプラクティスと技術的な完成度が評価され、実用性と感動を両立した作品として高く評価されています。

ラッキーブレッドは、消えゆく伝統工芸を現代の贈り物として蘇らせ、文化的な価値と美しさを兼ね備えた新しいライフスタイルギフトの可能性を示しています。贈る人と受け取る人、双方の心に残る体験を生み出すこのプロジェクトは、今後のデザイン界においても注目すべき存在です。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Antonia Skaraki
画像クレジット: Antonia Skaraki
プロジェクトチームのメンバー: 14
プロジェクト名: Lucky Bread
プロジェクトのクライアント: A|S Strategy, Branding & Communication


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