「Lusso」という名は、フランスのロマン主義哲学者ジャン=ジャック・ルソーに由来し、彼の“目覚めと変革”への探求心がデザインコンセプトに息づいている。過度な現代性や都市性を避け、自然で快適な雰囲気を追求。経年変化によって素材に深みが増すことを大切にし、木や石、レンガ、スチールなどの自然素材が、時の流れとともに独自の風合いを醸し出す。
店内には小さな庭が点在し、都会の疲れを癒やす視覚的・心理的な安らぎを提供。これらの庭は、伝統的な東洋の庭園を現代的にアレンジしたもので、カフェ全体に自然のリズムをもたらしている。木材や石の温もりと、金属やシャープなデザインが絶妙に調和し、都市の中にいながら自然を感じられる空間を実現している。
特徴的なのは、韓国の伝統的な村の入り口に立つケヤキの木から着想を得た曲線のパーティション。スチールを曲げて作られたフレームにファブリックを被せ、柔らかな光を拡散。継ぎ目のない美しい仕上がりを追求し、細部にまでこだわりが光る。インドアガーデンには、手入れがしやすく空間に調和する植物を厳選し、都市生活者に癒やしのひとときを提供している。
ファサードやカウンターには木製ルーバーを採用し、東洋的な格子の趣を演出。キッチン設備をさりげなく隠しつつ、開放感とプライバシーのバランスを保っている。窓枠にも木材を用いることで、外部とのつながりを感じさせ、カフェ全体に一体感をもたらしている。
「Lusso」は、現代都市における“自然との共生”を空間デザインで体現し、コーヒーを通じて新たな会話とリラクゼーションの価値を提案。2025年にはA' Design Awardのインテリア部門でシルバー賞を受賞し、その卓越した創造性と技術力が国際的にも高く評価された。
都市の中で自然の温もりと静けさを求める人々にとって、「Lusso」は新しいカフェ文化の象徴となりつつある。今後も、東洋の美意識と現代性が融合した空間が、都市生活者の心に豊かな余白をもたらすだろう。
プロジェクトデザイナー: 21GRAM
画像クレジット: Image #1-5: Photographer Sun-hyeok Jang, 2024
プロジェクトチームのメンバー: Design director: Seung-man Lee
Designer: Se-been Choi
プロジェクト名: Lusso
プロジェクトのクライアント: 21Gram