本プロジェクトは、伝統的な日本住宅の知見を持つ高松伸建築設計事務所の高松伸氏が設計を担当。住宅の中心に「空の間」と呼ばれる中庭を配置し、住まい手がどこにいても空を見上げられる開放感を実現しています。シンプルな白い空間が中庭を囲み、柔軟なレイアウトによって、空間の中心にも、周囲と一体化した暮らしにも対応可能です。
この「空の間」は、単なる中庭ではなく、自然光や風、鳥のさえずり、雲の流れといった自然の変化を日常に取り込む役割を担っています。人工照明に頼らず、窓から差し込むやわらかな光が室内を満たし、エネルギー消費を抑えながら快適な環境を生み出します。住まい手は中庭と各部屋を自由に行き来し、多様な生活スタイルを楽しむことができます。
設計の根底には、京都の町家に代表される伝統的な日本家屋の思想があります。都市の密集地でも、庭や中庭を中心に据え、自然との共生を重視してきた日本の住文化。その精神を現代に蘇らせ、エネルギー依存を減らしながら、自然とのつながりを深めることが本プロジェクトの核心です。
開発の過程では、量産型の小規模開発が主流となる都市近郊で、品質を維持しながら独自性を追求するという課題がありました。100万円を超える高価格帯の住宅において、著名な建築家との協働や、コストとデザインのバランスを取るための工夫が求められました。結果として、2016年の「AROUND THE SKY」竣工を皮切りに、複数の「空」と共生する住宅が誕生し、2025年にはA' Design Awardゴールド賞を受賞しています。
「横浜茅ヶ崎東」は、現代のライフスタイルに自然との調和を再提案する住宅です。都市生活の中で失われがちな空や自然とのつながりを、建築の力で取り戻すこの試みは、今後の住まいづくりに新たな指針を示しています。空を感じ、自然と共に暮らす豊かさを、次世代の住宅に広げていくことが期待されます。
プロジェクトデザイナー: Kei Tamai
画像クレジット: Copyright、Principal Home Co., Ltd.、2024
プロジェクトチームのメンバー: architect: Shin Takamatsu
designer: Shin Takamatsu
プロジェクト名: Yokohama Chigasakihigashi
プロジェクトのクライアント: SKYMISSION