「Arisa」は、黄金比にインスパイアされた有機的なフォルムと異なる高さを持つことで、子どもから大人まで多様な使い方を誘発する設計が特徴です。子どもたちは遊び場として、若者は社交の場として、大人は休憩や交流の場所として利用できるよう工夫されています。単なるベンチを超え、都市景観に自然と溶け込む彫刻的存在として、公共空間に新たな価値をもたらしています。
このベンチは、リサイクルコンクリート「ロカム」を用いて製作されており、耐久性と軽量性を両立。ロカムは石材を混ぜ込むことで、自然な質感と強度を維持しつつ、従来のコンクリートよりも多様な形状や仕上げを可能にしています。これにより、都市のさまざまな環境や用途に柔軟に対応できるモジュール式のデザインが実現しました。
「Arisa」の最大の特徴は、社会的な交流を促進する点にあります。曲線的な形状が自然な会話やふれあいを誘発し、公共空間における人々のつながりを生み出します。屋内外のどちらにも適応できる設計で、複数のパーツを組み合わせることで多様なレイアウトが可能。触れたくなる質感と直感的な使いやすさが、都市生活に新たな活気をもたらしています。
開発にあたっては、既存の都市家具の市場調査やユーザーへの観察・アンケート調査を実施。特にメキシコ国内で、年齢や背景を問わず交流を促すベンチが不足している現状を受け、3Dモデリングや軽量コンクリート技術を活用し、誰もが快適に利用できるデザインを追求しました。その結果、「Arisa」は都市空間における社会的インタラクションを飛躍的に向上させることが実証されています。
制作過程では、審美性と機能性のバランスを取ることや、内部構造を持たない軽量コンクリートで十分な強度を確保する技術的課題に直面しました。さらに、有機的なフォルムを実現するための生産制約も乗り越え、2024年9月にはCDMX(メキシコシティ)のMextropoliフェスティバルで一般公開されました。
「Arisa」は、2025年にA' Street and City Furniture Design Awardのシルバー賞を受賞。都市の景観と人々のライフスタイルを豊かにする、時代の先端を行くデザインとして高く評価されています。今後も多様な都市空間での展開が期待されており、公共空間における新たなコミュニティ形成の象徴となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: Pedro Fernández Cortina
画像クレジット: Monserrat Castro
プロジェクトチームのメンバー: Pedro Fernández Cortina
プロジェクト名: Arisa
プロジェクトのクライアント: Rokam