パシフィックアクアリウム新ブランドが描く海への窓

流動的なデザインが教育と環境保護をつなぐ

パシフィックアクアリウムのリブランディングは、海の多様性と包摂性を体現し、来館者と海洋世界をつなぐ“窓”としての役割を強調しています。デザインは教育・交流・保全という水族館のミッションを視覚的に伝え、誰もが海の魅力を発見できるアクセシブルなゲートウェイとなっています。

南カリフォルニア最大級の水族館であるパシフィックアクアリウムは、2023年秋から14週間にわたり、名称を「The Pacific Aquarium」に簡素化し、ブランドアイデンティティを刷新しました。新しいデザインは、海の流動性を感じさせる有機的なフォルムとカスタムフォントを採用し、視認性と記憶性を向上。これにより、教育・保全・アクセシビリティという水族館の核となる価値観が、より明確に伝わるようになりました。

このリブランディングの特徴は、デジタルからフィジカルまで一貫したビジュアル体験を提供する点にあります。ジェネレーティブデザイン技術を活用し、オリジナルのモジュラーフォントやシンボルを開発。これらは、海洋保全の緊急性を象徴するだけでなく、展示サインやポスター、ウェブサイト、会員カードなど、あらゆるタッチポイントで統一感をもたらしています。

特に注目すべきは、会員カードのカスタマイズツールの導入です。来館者は自分だけのデザインを選択できるため、個々の体験価値が高まり、水族館と来館者のつながりがより強固なものとなっています。このようなインタラクションの工夫は、教育的なメッセージや保全活動への参加意識を高める効果も期待されています。

デザイン開発にあたっては、国内外の水族館や保全団体のブランディングをリサーチし、ビジュアルデータやユーザーフィードバックを分析。現代的でありながらも、教育・保全の理念を損なわないバランスを追求しました。多様なメディアでの適応性や、来館者の体験向上を重視した設計が、プロジェクトの大きな挑戦となりました。

このプロジェクトは、2025年のA'デザインアワード(グラフィックス・イラストレーション・ビジュアルコミュニケーション部門)でIron賞を受賞。業界のベストプラクティスと技術的な完成度が評価され、実用性とイノベーションを両立したデザインとして高く評価されています。

パシフィックアクアリウムの新たなビジュアルアイデンティティは、海の多様性とダイナミズムを象徴し、教育・保全活動への参加を促進しています。今後もこの一貫したデザインが、より多くの人々に海洋世界の魅力と大切さを伝える架け橋となることが期待されます。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Mikayla Gao
画像クレジット: Image #5: Should Wang, Tainan Art Museum, 2019, Unsplash.
プロジェクトチームのメンバー: Mikayla Gao
プロジェクト名: Pacific Aquarium
プロジェクトのクライアント: Mikayla Gao


Pacific Aquarium IMG #2
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Pacific Aquarium IMG #5
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