「エクリプス」は、ダークウッドのベニヤを基調とした落ち着いた色彩と、直線的なライティングによる光の演出が特徴です。空間全体に漂うハロー効果は、まるで日食の瞬間に現れる光の輪を思わせ、住まいに奥行きと神秘性をもたらします。AN.J Studioは、オーナーの要望に応じてキッチンの動線を再構築し、キッチンアイランドとダイニングテーブルを一体化させることで、広がりと実用性を両立させました。
このプロジェクトの最大の見どころは、玄関左手の階段です。階段は、ダークウッドから温かみのある木目、ガラス、白い塗装へと素材が移り変わり、夜明けの光の道筋を象徴しています。階段の先に設けられた窓からは自然光が差し込み、空間にさらなる開放感を与えます。また、360度回転するテレビウォールは、キッチンアイランドと連動し、リビング・ダイニング・キッチンをシームレスにつなげる役割を果たしています。
素材選びにもこだわりが光ります。ロック、フッ素ガラス、エコ塗料などを採用し、環境配慮と高級感を両立。特に階段上部のフッ素ガラスは、照明を隠しつつ柔らかな光を反射し、空間に奥行きを加えています。光と影のコントラストが、自然の摂理を感じさせる設計となっています。
間取りは、リビング・ダイニング・2寝室・2バスルームを備えた約95.8㎡の2階建て。キッチンをリビング側に移動し、元のキッチンを新たな部屋へと転用。階段の配置も見直し、家族の交流が生まれるソーシャルエリアを強調しています。限られた床面積の中で、快適な動線と多機能性を実現しました。
住まい手からは、オープンなキッチンとダイニングのつながりや、拡張された収納スペース、家族が自由に交流できる設計が高く評価されています。360度回転するテレビウォールは、日常生活の利便性を高め、空間全体に一体感をもたらしています。
「エクリプス」は、2025年のA' Design Awardインテリア部門でブロンズ賞を受賞。芸術性、技術力、生活の質向上への貢献が高く評価されました。AN.J Studioによるこのプロジェクトは、現代住宅リノベーションの新たな指標となっています。
光と闇が交錯する空間で、住まいは単なる器を超え、家族の絆や日常の豊かさを育む舞台へと進化しています。今後も、こうした革新的なデザインが、暮らしに新たな可能性をもたらすことでしょう。
プロジェクトデザイナー: AN.J studio
画像クレジット: AN.J Studio
プロジェクトチームのメンバー: Chia-Hsuan Chen, Wei-Jen Lin, Yu-Hsiang Huang
プロジェクト名: Eclipse
プロジェクトのクライアント: AN.J Studio