「エクリプス」:光と闇が織りなす現代住宅の再生

AN.J Studioが手がける旧家リノベーションの革新と美学

台湾の築20年の住宅が、AN.J Studioによる「エクリプス」プロジェクトで、光と闇の対比をテーマにした現代的な住空間へと生まれ変わりました。太陽の皆既日食から着想を得たこのリノベーションは、機能性と美しさを融合し、家族のつながりを促進する新たなライフスタイルを提案しています。

「エクリプス」は、ダークウッドのベニヤを基調とした落ち着いた色彩と、直線的なライティングによる光の演出が特徴です。空間全体に漂うハロー効果は、まるで日食の瞬間に現れる光の輪を思わせ、住まいに奥行きと神秘性をもたらします。AN.J Studioは、オーナーの要望に応じてキッチンの動線を再構築し、キッチンアイランドとダイニングテーブルを一体化させることで、広がりと実用性を両立させました。

このプロジェクトの最大の見どころは、玄関左手の階段です。階段は、ダークウッドから温かみのある木目、ガラス、白い塗装へと素材が移り変わり、夜明けの光の道筋を象徴しています。階段の先に設けられた窓からは自然光が差し込み、空間にさらなる開放感を与えます。また、360度回転するテレビウォールは、キッチンアイランドと連動し、リビング・ダイニング・キッチンをシームレスにつなげる役割を果たしています。

素材選びにもこだわりが光ります。ロック、フッ素ガラス、エコ塗料などを採用し、環境配慮と高級感を両立。特に階段上部のフッ素ガラスは、照明を隠しつつ柔らかな光を反射し、空間に奥行きを加えています。光と影のコントラストが、自然の摂理を感じさせる設計となっています。

間取りは、リビング・ダイニング・2寝室・2バスルームを備えた約95.8㎡の2階建て。キッチンをリビング側に移動し、元のキッチンを新たな部屋へと転用。階段の配置も見直し、家族の交流が生まれるソーシャルエリアを強調しています。限られた床面積の中で、快適な動線と多機能性を実現しました。

住まい手からは、オープンなキッチンとダイニングのつながりや、拡張された収納スペース、家族が自由に交流できる設計が高く評価されています。360度回転するテレビウォールは、日常生活の利便性を高め、空間全体に一体感をもたらしています。

「エクリプス」は、2025年のA' Design Awardインテリア部門でブロンズ賞を受賞。芸術性、技術力、生活の質向上への貢献が高く評価されました。AN.J Studioによるこのプロジェクトは、現代住宅リノベーションの新たな指標となっています。

光と闇が交錯する空間で、住まいは単なる器を超え、家族の絆や日常の豊かさを育む舞台へと進化しています。今後も、こうした革新的なデザインが、暮らしに新たな可能性をもたらすことでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: AN.J studio
画像クレジット: AN.J Studio
プロジェクトチームのメンバー: Chia-Hsuan Chen, Wei-Jen Lin, Yu-Hsiang Huang
プロジェクト名: Eclipse
プロジェクトのクライアント: AN.J Studio


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