夜のエネルギーを纏う革新的オフィスラウンジ「Mysterious」

伝統を打破する空間設計が不動産業の働き方を変革

台湾・新竹のYungching Realty Inc.が、若きオーナーたちのビジョンのもと、従来のオフィス像を刷新。新たな「Mysterious」オフィスラウンジは、仕事とウェルビーイングの調和を追求し、業界に新風を吹き込んでいる。

Yungching Realty Inc.新竹支店の「Mysterious」は、三人の若手オーナーが中心となり、従来の不動産オフィスのイメージを大きく変えることを目指して誕生した。これまで一体化していたオフィス、商談、受付、リラックスエリアを明確に分割し、特にレジャースペースを強調。高いストレス下で働くエージェントたちに、心地よい環境を提供することが設計の主眼となっている。

このプロジェクトの最大の特徴は、従来のオフィスプランを覆す大胆なレイアウトにある。後方に設けられたラウンジバーは、レジャーやイベント、VIPミーティングなど多目的に活用できる空間。曲線的なフォルムやダークトーン、光の演出が夜のパーティーのようなダイナミックな雰囲気を生み出し、従来の堅苦しいオフィス像を一新している。

空間演出にはアーティスティックな塗装やイタリア製テラゾカウンター、タイル、塗装アイアンパーツなどを採用。ブラックの濃淡を巧みに使い分け、照明によって自在に雰囲気を変化させる。曲線壁に沿ったチェアや不規則な形状のソファ、バーチェアが身体をリラックスさせ、空間への没入感を高めている。VIPルームにはクリーム色を配し、集中しやすい環境を実現。

176平方メートルのオフィスには、十分な座席と収納機能付きシートを備え、支店間のコミュニケーションや顧客対応を円滑にする動線設計がなされている。中央のバーカウンターにはティーエリアやカップ用の棚も設置され、食事やティータイムも快適に楽しめる。

この空間設計は、従来の不動産業界の課題を的確に捉え、働く人々のストレス軽減や顧客との信頼構築にも寄与。新しい空間イメージが来訪者数や従業員の満足度、業績向上にも好影響を与えている。2025年にはA' Design Awardのインテリア部門でIron賞を受賞し、実用性と革新性が高く評価された。

「Mysterious」は、単なるオフィスの枠を超え、働く人の心身を支える新時代の空間モデルとして注目されている。今後も、仕事とウェルビーイングの両立を目指す空間デザインの進化に期待が高まる。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: YU XUAN LAI
画像クレジット: YU XUAN LAI
プロジェクトチームのメンバー: YU XUAN LAI
プロジェクト名: Mysterious
プロジェクトのクライアント: CHING I SHIN Design


Mysterious  IMG #2
Mysterious  IMG #3
Mysterious  IMG #4
Mysterious  IMG #5
Mysterious  IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む