「Icy Fire」は、科学者たちの統計や予測に基づき、地球温暖化が人類にもたらす壊滅的な影響をテーマにしています。インスタレーションは、冷たい青から熱を感じさせる赤へと色彩が移ろうことで、温暖化の進行とその危機感を視覚的に表現。映像の最後にはテキストが再び凍りつく演出が施されており、環境問題への集団的な取り組みが希望をもたらす可能性を示唆しています。
この作品の最大の特徴は、伝統的な水墨画の質感と、幾何学的かつジェスチャルな抽象表現をデジタルで融合させている点にあります。手描きの水墨画を高解像度でスキャンし、TouchDesignerなどのデジタルツールで動的な映像へと変換。アクリルミラーに囲まれた空間全体に映像を投影することで、鑑賞者はまるで氷河の内部にいるかのような没入感を味わえます。
インスタレーションの規模は5.3m×3m×4m。壁一面にデジタル水墨の映像が投影され、他の三面と天井・床にはアクリルミラーが設置されています。これにより、映像が無限に広がるような錯覚を生み出し、空間全体が一つのアート作品として機能します。
「Icy Fire」は、2023年にマカオで制作が始まり、2024年に完成。マカオ美術館、広東美術館、深圳美術館、Glow Shenzhen 2024など、複数の国際的な美術館で展示されました。伝統と現代、アートとテクノロジー、個人と社会という多層的なテーマを横断し、現代水墨の新たな可能性を切り拓いています。
本作は、2025年のA'デザインアワード(ファインアート&アートインスタレーション部門)でブロンズ賞を受賞。技術力と創造性、そして社会的メッセージ性が高く評価されました。環境問題への意識を高めると同時に、伝統芸術の未来をも照らす「Icy Fire」は、今後のアートとライフスタイルの在り方に一石を投じる存在となっています。
「Icy Fire」は、アートとテクノロジーの融合によって、社会課題への新たなアプローチを提示しています。鑑賞者自身がこの没入体験を通じて、地球環境の未来について考え、行動するきっかけとなることが期待されます。
プロジェクトデザイナー: Lampo Leong
画像クレジット: Image #1: Lampo Leong, 2024
Image #2: Lampo Leong, 2024
Image #3: Lampo Leong, 2024
Image #4: Lampo Leong, 2024
Image #5: Lampo Leong, 2024
プロジェクトチームのメンバー: Lampo Leong
Yanxiu Zhao
プロジェクト名: Icy Fire
プロジェクトのクライアント: Unversity of Macau Centre for Arts and Design