テラスタ:宮崎・都城に誕生した新しいコミュニティホテル

地域資源と共創する現代的な複合型ホテルの挑戦

テラスタは、宮崎県都城市の中心部に誕生した複合型ホテルであり、地域社会の再生と新たな賑わいの創出を目指して設計された。伝統と現代性を融合し、地元の素材やアーティストとの協働を通じて、単なる宿泊施設を超えたコミュニティの拠点として注目を集めている。

テラスタの名称は「テラス」と「ステージ」を組み合わせた造語であり、個々の人生を支える舞台としての役割と、開かれた交流空間を象徴している。建物は外部の階段やテラスを巧みに配置し、屋外と屋内をシームレスにつなぐ設計が特徴だ。これにより、隣接する広場の利用価値を高め、地域住民や来訪者が自然に集う活気ある空間を実現している。

ホテルの内装には、都城の歴史や文化を反映した素材が随所に用いられている。外壁には新燃岳の火山灰を利用した「新燃煉瓦」、内壁には高千穂シラスの左官や地元産の溶岩石が採用され、周囲の景観と調和しながら地域の物語を伝えている。さらに、木材や真鍮を組み合わせた温かみのあるデザインと、日本的な美意識が空間全体に息づく。

テラスタは地元商工会議所の主導で開発され、地域住民の声を反映した中上級向けの宿泊施設として計画された。7階建ての建物には93室の客室、2つのレストラン、パブリックラウンジのほか、スーパーマーケットやレンタルオフィス、地元ラジオ局など多様なテナントが入居。ホテルの枠を超え、日常生活やビジネス、文化活動を支える複合機能を備えている。

設計・運営にあたっては、地元アーティストや学生、職人との協働が重視された。館内各所や特別客室には、グラフィックデザインや木工、華道、漆芸など多彩な分野の作品が展示され、地域の才能を発信。アメニティや食器も地元ショップから調達されており、サステナビリティと地域経済への貢献が体現されている。

都城市はかつて賑わった商店街が1980年代以降に衰退し、通過点となっていた。テラスタはこの歴史的背景を踏まえ、地域の新たな目的地となるべく設計された。2022年の開業以来、地元と来訪者が交わる「まちの舞台」として、創造性と交流、商業の新たな可能性を切り拓いている。

テラスタは、伝統と革新、地域と世界をつなぐ現代的なホテルのあり方を提示している。今後も都城の未来を担うコミュニティ拠点として、さらなる進化が期待される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: UDS Ltd.
画像クレジット: Image #No1 : Photographer Nacasa & Partners Inc., TERRASTA, 2022 Image #No2 : Photographer Nacasa & Partners Inc., TERRASTA, 2022 Image #No3 : Photographer Nacasa & Partners Inc., TERRASTA, 2022 Image #No4 : Photographer Nacasa & Partners Inc., TERRASTA, 2022 Image #No5 : Photographer Nacasa & Partners Inc., TERRASTA, 2022
プロジェクトチームのメンバー: Norito Nakahara Yasushi Terada Anna Naganuma Thanaporn Lohavichitranon
プロジェクト名: Terrasta
プロジェクトのクライアント: TERRASTA


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