都市と自然を繋ぐ「Urban Clouds」集合住宅の新たな美学

雲と風をテーマにした建築が生み出す穏やかな都市生活

「Urban Clouds」は、台湾の行政・文化地区に位置し、現代建築と文化的伝統を融合させた集合住宅プロジェクトです。広大な緑地に囲まれたこの建物は、都市生活の質を高めると同時に、自然との調和を追求しています。デザインは、都市の中に静けさと優雅さをもたらすことを目指し、環境との一体感と機能美を両立させています。

Ya-Yuan DesignとShanghefa Developmentによる「Urban Clouds」は、雲の漂う美しさと風の流れを建築に取り入れることで、都市型集合住宅の新しい在り方を提案しています。屋根のデザインは、パラメトリック手法を用いて雲の立体的なフォルムを二次元構造へと変換し、時間帯ごとに異なる光と影の表情を生み出します。外観は複雑な梁と柱のシステムで構成され、洗練された現代的な印象を与えています。

1階ロビーには、金属ユニットによるアートインスタレーションが天井に設置され、風の流れを視覚化。これにより、建物内部に自然の息吹が感じられ、都市生活に穏やかな空気感をもたらします。夜間には調整された照明が建築の魅力を際立たせ、温かみのある雰囲気を演出します。

素材選びにおいては、上質さと明るさを重視。ベージュグレーの大理石が柔らかな雲の層を思わせる温もりを醸し、銀色に輝く小粒のタイルが星屑のようなきらめきを加えます。ガラスの透明感と直線的なラインが光と影のコントラストを際立たせ、明るく温かみのある住空間を実現しています。

敷地面積1,078㎡、建築面積756㎡、地上15階建ての本プロジェクトは、前後に配置された2つのボリュームによって圧迫感を和らげ、層状の外観が親しみやすさを生み出しています。内部は現代的な生活動線を意識して設計され、機能性と美しさのバランスが追求されています。すべてのディテールは建築基準に準拠し、効率的かつ魅力的な空間を提供します。

設計段階では、既存の平面計画に外観デザインを合わせるという制約がありましたが、デザインチームは自然の要素をテーマに据え、Grasshopperなどのデジタルツールを活用して雲や風の形態を建築に落とし込みました。実現にあたっては、デジタルから現実への変換という大きな挑戦を乗り越えています。

最上階の格子デザインは光と影の流れを生み出し、時間とともに変化するファサードを演出。空と緑を背景に、建物は都市の中に静かなオアシスを築きます。受賞歴として、2025年のA'デザインアワード建築部門でゴールドを獲得し、革新性と芸術性が高く評価されています。

「Urban Clouds」は、都市に住む人々に自然とのつながりと心の安らぎをもたらす新しい集合住宅のあり方を示しています。今後も、都市と自然が共生するライフスタイルの象徴として注目されるでしょう。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ya-Yuan Design, Shanghefa Development
画像クレジット: OS studio, Rex Chu
プロジェクトチームのメンバー: Feng-Huang Pan, Anson Chen, Chun-Yao Hu, Jun-Kai Wang
プロジェクト名: Urban Clouds
プロジェクトのクライアント: YA-YUAN INTERIOR DESIGN SERVICE CO.


Urban Clouds IMG #2
Urban Clouds IMG #3
Urban Clouds IMG #4
Urban Clouds IMG #5
Urban Clouds IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む