和と北欧が融合する静謐な住まい「Serene Moon」

自然素材とミニマリズムが生む心地よい空間の革新

Shiu and Space Interior Design Co., Ltd.による「Serene Moon」は、日本の侘び寂びと北欧ミニマリズムを融合させた、現代のライフスタイルに寄り添う住空間です。自然素材の温もりと洗練されたデザインが調和し、家族が心から安らげる場所を実現しています。

「Serene Moon」は、台湾で2023年4月に完成した住宅プロジェクトであり、Shiu and Space Interior Design Co., Ltd.が手がけました。デザインのインスピレーションは、日本の侘び寂びの美学と北欧のミニマリズムから得られ、温かみのあるジャパンディスタイルを体現しています。住まい手の「静けさ」と「控えめな美」を求める想いに応えるため、石や木といった自然素材を大胆に用い、素材本来の質感や経年変化を尊重した空間が広がります。柔らかな北欧トーンをアクセントに取り入れることで、リラックスと自然とのつながりを感じさせる穏やかな雰囲気が生まれています。

このプロジェクトの大きな特徴は、細部への徹底したこだわりです。特に注目すべきは、モールガラスと白い鉄フレームで構成された多機能な書斎スペースです。透明感と軽やかさを持ち、ゲストルームや静かなワークスペースとして自在に変化します。さらに、エントランスには廃線の枕木を再利用し、手描きのグラデーションウォールが山並みを思わせるなど、自然とクラフトマンシップが融合した独自性が際立ちます。

空間の実現には、特殊塗装、ガラス、木材、ラミネートフローリング、鉄など多様な素材が用いられています。明るい色調のパレットが空間に柔らかさと開放感をもたらし、木の自然な質感が際立ちます。ガラスは自然光を拡散し、石のような塗装壁に朝霧のような美しさを演出。鉄とラミネートフローリングは、現代的な美しさと耐久性を両立させています。細やかなディテールが、静けさの中にも豊かな表情を与えています。

レイアウトはオープンプランを採用し、玄関から書斎、リビング、ダイニングまで一望できる設計です。家族同士の自然なコミュニケーションを促し、温かい一体感を生み出します。ダイニング近くには壁と一体化した隠し扉を設け、プライバシーを守りつつ、空間全体のビジュアルバランスを損なわない工夫がなされています。これにより、機能性と美しさの絶妙なバランスが実現しています。

設計過程では、天井の梁による圧迫感を解消するため、光と影の演出で開放的な雰囲気を創出。また、石調塗装の色味や質感の調整にも多くの試行錯誤が重ねられました。侘び寂びの精神を反映し、木の節や石の割れ目など自然の不完全さを美として受け入れる姿勢が、空間全体に深みを与えています。

「Serene Moon」は、2025年のA' Design Award(インテリア空間部門)でブロンズ賞を受賞しました。これは、アート・サイエンス・デザイン・テクノロジーの最良の実践を取り入れ、生活の質の向上に貢献する優れた創造性と技術力が評価されたものです。自然素材とミニマリズムが織りなすこの住まいは、現代人にとっての「心の拠り所」として、新たなライフスタイルの可能性を提示しています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Shiu & Space Interior Design Co., Ltd.
画像クレジット: Shiu & Space Interior Design Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: Ching-Pei Chen
プロジェクト名: Serene Moon
プロジェクトのクライアント: Shiu & Space Interior Design Co., Ltd.


Serene Moon IMG #2
Serene Moon IMG #3
Serene Moon IMG #4
Serene Moon IMG #5
Serene Moon IMG #5

デザイン雑誌でさらに詳しく読む