座る・立つを切り替える新発想オフィスチェア「Active」

健康と効率を両立する多機能チェアがオフィスに革新をもたらす

長時間のデスクワークによる健康リスクが注目される中、Yun Liによる「Active」は、座る・立つを自在に切り替え、シンプルな運動も可能にする新しいオフィスチェアとして誕生した。働き方改革が進む現代のオフィスにおいて、健康と快適性、そして空間効率を追求した本作は、2025年A'デザインアワードのブロンズ賞を受賞し、今後のオフィス家具の新基準となる可能性を示している。

現代のオフィスワーカーにとって、長時間同じ姿勢で過ごすことによる健康被害は深刻な課題となっている。世界保健機関(WHO)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)も、座りっぱなしの生活が肥満や心血管疾患、糖尿病など多くの健康問題と関連していると警鐘を鳴らしている。こうした背景から、Yun Liは「どうすれば座りっぱなしを防げるか」という問いを出発点に、オフィスチェアの再定義に取り組んだ。

「Active」の最大の特徴は、2つのクッション(高・低)を備え、座る・立つの姿勢を自由に選べる点にある。低いクッションでは従来より高めの座面で背筋を伸ばして座ることができ、高いクッションはバースツールのような高さで立ち仕事にも対応。さらに、アームレストやフットレストを活用した簡単なストレッチや軽い運動も可能で、長時間の作業による体のこわばりを和らげる設計となっている。

素材には中空鉄パイプ、ファブリック、フォームを採用し、パイプの曲げ加工による美しいフォルムと、わずか8本のネジで組み立てられる手軽さを両立。独自の曲線設計により複数台をスタッキングでき、オフィス空間の省スペース化にも貢献する。多彩なカラーバリエーションも用意され、無機質になりがちなオフィスに彩りを添える。

製品サイズは幅540mm×奥行400mm×高さ780mmと、一般的なオフィスチェアよりやや高めの設計。これは、ユーザーがより健康的な姿勢を保てるようにとの配慮から生まれたものだ。実際に座る・立つを切り替えたり、アームレストで体を伸ばしたりすることで、日常的に「動く」ことが促され、座りっぱなしによる職業病の予防につながる。

「Active」は2024年3月から8月にかけて深圳で開発され、中国特許(出願番号202430611547X)も取得済み。A'デザインアワード審査員からは、アート・サイエンス・テクノロジーの融合と、生活の質向上への貢献が高く評価された。今後、健康経営や働き方改革を推進する企業にとって、オフィスチェア選びの新たな選択肢となるだろう。

座る・立つ・動くをシームレスに切り替えられる「Active」は、オフィスワーカーの健康意識を高め、より快適で生産的なワークプレイスの実現に寄与する。働き方の多様化が進む今、オフィス家具も進化を続けている。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ziel Home Furnishing Technology Co., Ltd
画像クレジット: Ziel Home Furnishing Technology Co., Ltd
プロジェクトチームのメンバー: Designer: Yun Li
プロジェクト名: Active
プロジェクトのクライアント: Ziel Home Furnishing Technology Co., Ltd.,


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