SDIティーチングビルのリニューアルは、深圳技術大学クリエイティブデザイン学院の成長に合わせて進められた。従来の空間は、広大で高い天井や大規模な螺旋階段が特徴的であったが、その反面、無機質で冷たい印象を与えていた。孟申晖は、この課題に対し、壁面全体を活用した大胆なタイポグラフィと色彩の重ね合わせによるビジュアルデザインを提案し、空間に温かみと活気をもたらすことに成功した。
デザインの核となるのは、ドイツの伝統的なフォント「DIN」と「Futura」の巧みな使い分けである。DINフォントは、ドイツの道路標識にも採用される視認性の高い書体であり、館内の案内表示に用いることで、クリエイティブデザイン学院のドイツ式教育モデルを象徴的に表現している。一方、Futuraフォントはその他のテキストに活用され、空間全体に現代的なリズムと調和をもたらしている。
施工面では、最大5メートルの壁面に繊細な塗装を施し、色彩の重なりによる奥行きとアート性を演出。さらに、一部のテキストにはアクリル素材を採用し、異素材同士のコントラストが生まれることで、視覚的なインパクトが一層強調されている。デジタルプロジェクションも取り入れられ、空間の随所にダイナミックな変化をもたらしている。
このプロジェクトは、2023年4月から8月にかけて深圳で実施され、6階建ての建物の内部空間全体にわたるビジュアルデザインが展開された。各階ごとに個性的なロゴやサインが設けられ、学生たちがデザインの息吹を日常的に感じられる環境が整えられている。空間の再構築は、ミニマルな美学を保ちつつ、国際的なクリエイティブ教育の現場にふさわしい活気と親しみやすさを実現している。
SDIティーチングビルの空間ビジュアルデザインは、2025年にA' Graphics, Illustration and Visual Communication Design Awardのシルバー賞を受賞。審査員からは、技術的な完成度と芸術的な独自性、そして空間に新たな価値をもたらす革新性が高く評価された。今後も、教育空間におけるデザインの可能性を広げる先駆的な事例として注目されるだろう。
孟申晖によるこのプロジェクトは、教育現場の空間体験を刷新し、学生たちに創造的な刺激を与えるとともに、現代建築とグラフィックデザインの融合が生み出す新たな価値を示している。今後の教育施設デザインにおいても、こうしたアプローチが広がることが期待される。
プロジェクトデザイナー: Meng Shenhui
画像クレジット: Photographer:Huang Yinghua
プロジェクトチームのメンバー: Meng Shenhui
プロジェクト名: SDI Teaching Building
プロジェクトのクライアント: Meng Shenhui