美しさを紡ぐロゴデザインが描く農村再生の未来

「Meet in Arcadia」が示す文化と観光の新たな融合

中国貴州省の龍塘村を舞台に、Xiaoming MengとXueke Fangによる「Meet in Arcadia」は、伝統的な美意識と現代的なブランド戦略を融合させたプロジェクトです。ロゴデザインは中国語の「美」という文字をモチーフに、棚田や苗族の家々を抽象的に表現。農村の独自性と美しさを象徴し、地域活性化の新しいモデルとして注目を集めています。

「Meet in Arcadia」のロゴは、シンプルさと抽象性を兼ね備えたデザインが特徴です。中国語の「美」の文字をベースに、棚田の曲線や苗族の家屋を巧みに組み合わせることで、地域の風景と文化を一体化。最終的な一画が屋根へと変化し、視覚的な調和を生み出しています。このデザインは、農村の魅力を直感的に伝えるだけでなく、ブランドの核となる「美」の概念を強く印象付けています。

2017年に始動した本プロジェクトは、貴州省龍塘村の課題解決を目指して展開されました。当時、村は産業の不足や人口流出、子どもの置き去りといった社会問題を抱えていました。ブランドデザインの導入により、観光を核とした産業振興や伝統文化の継承、村民の自発的な参加を促進。地域経済の活性化とともに、持続可能な発展モデルの構築に寄与しています。

ブランド戦略では、ロゴの象徴性を最大限に活用し、観光客と地域住民の双方に共感を呼び起こすことを重視しています。統一されたビジュアルイメージが観光体験のガイドとなり、シンプルで親しみやすい言語表現がブランドへの理解を深めます。さらに、村民の参画を促すことで、ブランド構築のプロセス自体が地域コミュニティの活性化につながっています。

プロジェクトの実現には、伝統文化と現代デザインの融合、複数の関係者の調整、現地調査の成果を具体的な施策に落とし込む難しさなど、多くの課題がありました。しかし、Xiaoming MengとXueke Fangは、フィールドワークやインタビュー、ケース分析など多角的なリサーチを通じて、地域の本質的な価値を見出し、ブランドの独自性を確立しています。

「Meet in Arcadia」は、2025年にA'デザインアワードのブロンズ賞を受賞。芸術性と実用性を兼ね備えたデザインが、農村の生活の質向上や持続可能な社会づくりに貢献している点が高く評価されました。ブランドロゴは単なるシンボルにとどまらず、地域と訪れる人々をつなぐ感情的な架け橋となっています。

このプロジェクトは、地方創生や観光ブランディングの新たな可能性を示しています。伝統と革新が交差するデザインの力が、地域社会にどのような変化をもたらすのか、今後の展開にも大きな期待が寄せられています。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Xiaoming Meng
画像クレジット: [Image 1: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Image 2: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Image 3: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Image 4: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Image 5: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Image 5: Designer Meng Xiaoming, 2022.] [Video credits : xiaoming meng, 2022]
プロジェクトチームのメンバー: Chief Designer: Xiaoming Meng Project Operation: Xueke Fang
プロジェクト名: Meet in Arcadia
プロジェクトのクライアント: China Social Entrepreneur Foundation


Meet in Arcadia  IMG #2
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