東方先端学研究院が描く未来型学びの空間デザイン

多様性と革新性が融合する教育インテリアの新基準

世界的な学術機関のデザイン思想に着想を得て、Yasha Design and Research Instituteが手掛けた東方先端学研究院は、開かれた協働的な学びの場を追求し、建築とインテリアの両面で新たな教育空間の在り方を提示している。

東方先端学研究院は、著名な起業家・于仁融氏と浙江省政府、寧波市政府の協力により設立された。グローバルな視点で卓越した科学技術人材の育成を目指し、百年続く名門大学を志向している。インテリアデザインは、伝統的なキャンパスの原則を現代的に解釈し、各教室棟ごとに異なる個性を持たせることで、学びの多様性を体現している。

建物ごとに異なるデザインアプローチが採用されている点が特徴的だ。エンジニアリング棟では、吊り下げ式のスチールワイヤーや壁面機構など、工業的な要素を強調。一方、生命科学棟では生態系植物を取り入れ、空間に生命力と彩りを与えている。情報棟では、金属素材やインタラクティブな情報装置を活用し、テクノロジーの先進性を感じさせる空間が創出されている。

1.5平方キロメートルに及ぶ広大な敷地には、柔軟な家具配置や可変的な教室設計が導入されている。色彩、素材、アートワークの選定は、各学部のアイデンティティや文化的価値観を反映し、学術的な雰囲気を高めている。空間の多様性と適応性が、教員と学生双方にとって快適で刺激的な学びの場を実現している。

設計段階では、国内外の大学キャンパスを幅広く調査し、地理的・気候的条件に適した素材や空間構成を検討。実現可能性と独自性を両立させるため、徹底したリサーチとクリエイティブな解決策の検討が重ねられた。特に、長期的なブランド価値と伝統を築くための設計基準を満たすことが、最大のチャレンジとなった。

このプロジェクトは2023年7月に始動し、2024年7月に完成。教育、インテリアデザイン、人文、独立性、特徴といったキーワードが象徴するように、東方先端学研究院の空間は、学びの未来を切り拓く新たなモデルケースとなっている。2025年にはA' Design Awardのシルバー賞を受賞し、その技術力と芸術性が国際的にも高く評価された。

東方先端学研究院のインテリアデザインは、学術空間における多様性と革新性の融合を体現している。今後、教育施設の新たなスタンダードとして、国内外のデザイン界に大きな影響を与えることが期待される。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Xin Xu
画像クレジット: Yasha Design and Research Institute
プロジェクトチームのメンバー: Xu Xin, Wang Shan, Zhang Jisen, Tao Ye, Zhang Yang, Zou Sicong, Wang Junrui, Wu Yufei, Bian Hui, Wu Lei, Shi Yuezong, Wang Huaizhuang, Tang Jie ,Xiao Bin, Wang Sheng, Gaoyang Fangfei ,Zhao Xinpeng, Wang Hao, Li Hongbo, Yang Yi, Zhang Ying
プロジェクト名: Eastern Institute for Advanced Study
プロジェクトのクライアント: Yasha Design and Research Institute


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