ヴォイイーズは、旅行が困難な人々のために設計されたバーチャル旅行インターフェースです。高齢や健康上の理由、距離や時間の制約により実際に移動できない人々が、リアルな目的地を感情的かつ人間的に体験できるよう設計されています。ライブガイドによる案内、映像共有、音や香りといった感覚フィードバックを組み合わせ、単なる映像視聴を超えた没入感を追求しています。
このプラットフォームの特徴は、「願いベース」のシステムにあります。利用者が希望する場所や体験を選択・リクエストすると、現地ガイドがスマートグラスを装着してライブツアーを開始。利用者は一人称視点で現地の様子を見ながら、画面タップや音声コマンドでインタラクションを行い、音や香りなどの感覚情報も受け取れます。これにより、旅の目的や感情に寄り添ったパーソナルな体験が実現します。
デザイン面では、ミニマルな未来感と温かみのあるビジュアルを融合。ユーザーの行動や状況に応じてインターフェースが柔軟に変化し、スマートグラスやモバイル端末、大型ディスプレイなど多様なデバイスに対応しています。リアルタイムストリーミングや音声入力、環境色の自動適応、感覚フィードバックなど、最新技術を活用した設計が特徴です。
開発にあたっては、移動困難な方々へのインタビューやシナリオテストを重ね、リアルタイムのつながりや感情的な存在感、感覚的なディテールへのニーズを反映。特に視覚的な明瞭さと没入感のバランス、香りの再現性、社会的孤立への配慮など、技術的・社会的な課題に直面しながらも、より人間的なバーチャル体験を目指しました。
ヴォイイーズは、2025年のA'デザインアワード(インターフェース・ユーザーエクスペリエンス部門)でIron賞を受賞。実用性と革新性、産業的要件を満たす優れたデザインとして評価されました。今後も、物理的な制約を超えて人と場所、物語をつなぐ新しいライフスタイルの可能性に注目が集まります。
バーチャル旅行の進化は、単なる技術革新にとどまらず、社会的包摂や感情的な豊かさをもたらす力を秘めています。ヴォイイーズのようなデザインが、誰もが自分らしく世界を体験できる未来への一歩となるでしょう。
プロジェクトデザイナー: Zilian(Joy) Li
画像クレジット: Zilian Li
プロジェクトチームのメンバー: Zilian Li
プロジェクト名: Voyease
プロジェクトのクライアント: Ambiwishes Technology