風景と調和する新時代のカーディーラー建築「グローバルクレスト北大村」

地域の魅力を引き出す透明感と開放感に満ちたショールーム

長崎県大村市の田園地帯に誕生した「グローバルクレスト北大村」は、従来のカーディーラーのイメージを刷新する建築として注目を集めている。建築家・松山将勝による本プロジェクトは、風景と建物が一体となる新たなライフスタイル空間を提案し、2025年のA'デザインアワードで銀賞を受賞した。

「グローバルクレスト北大村」は、オムラ湾と多良岳山系に囲まれた希少な平地に位置し、周囲の自然環境と調和する設計が特徴である。従来、サブディーラーは道路沿いに車両を並べ、建物自体は奥まった場所に配置されることが多かった。しかし本プロジェクトでは、建築そのものがショップのサインとなるよう意図され、建物の存在感と視認性が大きく高められている。

建物は4メートルグリッドの空間構成と、わずか75ミリ角のスチール柱によって大屋根を支える構造を採用。三方を全面ガラスで覆い、屋内外の境界を曖昧にしながら、車両の受け渡しや商談の場を風景とつなげている。厚みのある屋根と細い柱のコントラストが、繊細で緊張感のある佇まいを生み出している点も印象的だ。

エネルギー効率にも配慮し、西面を除く三面をフルグレージングとすることで、自然光を最大限に取り込みつつ、町並みや田園風景との一体感を実現。4メートルのキャンティレバー庇が全方位に広がり、雨天時でも快適に車両の受け渡しや見学が可能な空間を創出している。

設計期間は2022年5月から2023年5月、施工は2023年6月から2024年1月までの8ヶ月間で完了。延床面積705.68平方メートルのスケール感と、土地のポテンシャルを最大限に引き出す設計思想が高く評価されている。松山建築設計事務所は「土地の可能性を読み解き、その場所ならではの建築とライフスタイルを導き出す」ことを重視し、本プロジェクトでも固定観念を超えた未来志向の空間を実現した。

「グローバルクレスト北大村」は、カーディーラーという枠を超え、地域の風景と共鳴する新たな建築のあり方を提示している。今後、地域社会や顧客のライフスタイルにどのような変化をもたらすのか、さらなる展開に期待が高まる。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Masakatsu Matsuyama
画像クレジット: Image#1:Photographer Toshihisa Ishii(Blitz STUDIO),GC Kitaomura,2024. Image#2:Photographer Toshihisa Ishii(Blitz STUDIO),GC Kitaomura,2024. Image#3:Photographer Toshihisa Ishii(Blitz STUDIO),GC Kitaomura,2024. Image#4:Photographer Toshihisa Ishii(Blitz STUDIO),GC Kitaomura,2024. Image#5:Photographer Toshihisa Ishii(Blitz STUDIO),GC Kitaomura,2024.
プロジェクトチームのメンバー: Masakatsu Matsuyama
プロジェクト名: Global Crest Kita Omura
プロジェクトのクライアント: Global Crest


Global Crest Kita Omura IMG #2
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