新外灘マンション体験センターは、張健(Jian Zhang)率いるデジョイ・インターナショナル・アーキテクツによって設計され、上海の歴史と現代性を融合させた空間体験を提供しています。デザインのインスピレーションは「時間」というテーマに導かれ、旧上海のクラシックな要素を現代的なファッションと建築的洗練で再構築。これにより、伝統的な上海の魅力と現代デザインが調和し、地域文化の“翻訳”としての役割を果たしています。
この体験センターの最大の特徴は、上海スタイルのアート体験を軸にした総合的なデザイン戦略にあります。1,200平方メートルの広大な空間は、南側のレセプション&展示エリアと、北側の屋外ガーデンコンセプトという2つのゾーンに分かれています。南側は静かなラグジュアリーを感じさせるホテルライクな設え、北側は4つのモデルルームを囲む中庭で、訪れる人々を豊かな緑と都市の息吹に包み込みます。
空間の演出は、エレベーターホールから始まります。深いグリーンのベルベットカーテンに包まれたエントランスを抜けると、アーチ状の石壁や黒のレセプションデスク、星空のような照明が迎えます。床には誘導サインが埋め込まれ、ミラー天井が空間の高さを演出。限られた天井高や奥行きといったオフィスビル特有の制約を、巧みなデザインで克服しています。
このプロジェクトは、黄浦江沿いの高級住宅地という立地を活かし、エコロジーやパーク、ウォーターフロントの暮らし、商業性を融合。上海らしい都市生活の未来像を体現しています。空間を歩くことは、まるで映画のワンシーンを体験するかのよう。人に寄り添うスケール感と、都市の記憶を呼び覚ます建築的要素が、訪れる人々に新たなライフスタイルの可能性を提示します。
デザインの研究では、エレベーターホールが空間の流れを調整するトランジションとして機能し、両端に視覚的な焦点を設けることで、限られた空間を最大限に活用。オフィスビルという閉鎖的な環境を、開放的で招き入れる体験型空間へと変貌させた点が高く評価されています。
新外灘マンション体験センターは、時代の美意識と文化的精神を体現し、今後のクラブや中庭などの開発にもそのデザインエッセンスが継承される予定です。このプロジェクトは、2025年A'デザインアワード金賞を受賞し、アート・サイエンス・デザイン・テクノロジーの進化を牽引する存在として、上海・陸家嘴エリアのブランドイメージを確立しています。
伝統と革新が共鳴するこの空間は、都市生活の新たな価値観を提案し、今後のライフスタイルデザインに大きな影響を与えることでしょう。
プロジェクトデザイナー: Jian Zhang
画像クレジット: TOPIA
プロジェクトチームのメンバー: Chief designer: Zhang Jian
プロジェクト名: Shanghai New Bund Mansion
プロジェクトのクライアント: Dejoy International Architects